英語の先行詞とは?上手に見分ける方法と使い方のポイントを説明

先行詞

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英語の先行詞とは、関係代名詞によって意味を修飾される語である。

英語を学んでいるあなたは、次のような疑問をお持ちではないだろうか?

  • 先行詞をうまく見分けるポイントを知りたい
  • 先行詞は人・物の場合で何が違う?
  • 先行詞と関係代名詞の使い方を理解したい

そこでトイグルでは、英語の先行詞について詳細をまとめた。学習の参考になるはずだ。

関係代名詞の使い方
本記事は関係代名詞に関する一定の知識があるとより理解しやすくなります。関係代名詞の基礎は別記事をご覧ください。

1. 文中の先行詞を見分ける方法

先行詞とは、関係代名詞によって修飾される名詞句である。通常、先行詞は関係代名詞の直前に置かれる。

関係代名詞は制限用法(= コンマなし)と非制限用法(= コンマあり)の2つがある。先行詞と関係代名詞の関係をあらわすと、次のようになる。

  • 制限用法: [先行詞] [who, which, that…]
  • 非制限用法: [先行詞], [who, which, that…]

以下、文中の先行詞を見分ける方法を説明しよう。

1-1. 先行詞が関係代名詞の直前にある場合

  • (1) People who live in bigger cities have access to more information. (大都市に住んでいる人々は、より多くの情報への接触機会がある)

先行詞の判別がもっとも簡単なのは、先行詞が関係代名詞の直前に存在する場合である。例文はPeople(人々)が先行詞、who live in bigger cities(大都市に住んでいる)が関係詞節。

  • 先行詞: People
  • 関係詞節: who live in bigger cities

1-2.関係代名詞が省略される場合の先行詞

  • (2) The woman I met in Hong Kong is a student. (私が香港で会った女性は学生です)

目的格の関係代名詞は、しばしば省略して使われる。例文は先行詞The woman(その女性)と関係詞節I met in Hong Kong(私が香港で会った)の間に、関係代名詞that(あるいはwho/whom)が省略されている。

関係代名詞が省略されている場合、先行詞の範囲がどこまで及ぶか、範囲の見極めが重要となる。英語でThe woman Iという組み合わせは不可なので、これらの間に関係代名詞が隠れていると考える。そこから、先行詞はThe womanと判断する。

  • 先行詞: The woman
  • 関係詞節: I met in Hong Kong

1-3. 先行詞が関係代名詞から離れた位置にある場合

  • (3) This is some material from the book that I think students might be interested in. (これはあの本からの題材で、私が思うに学生が興味を持つであろうものです)

先行詞が関係代名詞から離れた位置にある場合、判別が難しくなる。

例文では、関係代名詞thatの先行詞はsome material(題材)である。関係代名詞と先行詞の間にI think(私が思うに)やfrom the book(あの本から)といったものが挿入されているが、文意から言って、「題材」が先行詞と考えられる。

先行詞と関係代名詞に距離がある場合、以下の点が見分けるヒントになる。

  • 動詞の形: 三単現のsがついている、are(were)など複数形で受けているなど
  • 挿入: I thinkなどの挿入があれば、いったん除外して考える
  • 文の意味: 文全体の意味が成り立つものが先行詞

2. 先行詞の種類と使い方

先行詞が人who, whom, whose
先行詞が物which, whose
先行詞が人・物that

先行詞の種類は大きく、ヒト(人間)とモノに分かれる。

人が先行詞の場合、関係代名詞はwho(主格・目的格)、whom(目的格)、whose(所有格)が使われる。物が先行詞の場合、関係代名詞はwhich(主格・目的格)とwhose(所有格)が使われる。thatは先行詞の種類に関係なく使用できる。

以下、先行詞の種類と関係代名詞の使い方を紹介していこう。

2-1. 先行詞が人

  • (4) I am looking for a man who has a great sense of humor. (私は卓越したユーモアのセンスがある人を探している)
  • (5) I saw the woman who you met in Paris. (私はあなたがパリで会った女性を見た)
  • (6) Students whose first language is not English are required to have an IELTS score of 7.5. (第1言語が英語でない学生はIELTSスコア7.5を持っているよう求められる)

人が先行詞の場合、関係代名詞はwho(主格・目的格)、whom(目的格)、whose(所有格)が用いられる。(4)は主格、(5)は目的格、(6)は所有格の関係代名詞が使われている例。

人が先行詞の場合、主格および目的格の関係代名詞はthatも使用可能。(4)と(5)は以下のように言ってもよい。

  • (4′) I am looking for a man that has a great sense of humor.
  • (5′) I saw the woman that you met in Paris.

目的格の関係代名詞は省略できる。

  • (5”) I saw the woman you met in Paris.

非制限用法で1人称を先行詞にする場合
1人称の先行詞を主格の関係代名詞で修飾する場合、動詞は人称に一致する。
例: I, who am a fine swimmer, will…

注: IELTS(アイエルツ)は英語の資格試験。英語を母語としない受験者が、海外の大学・大学院入試で英語力を証明するために使われる。

2-2. 先行詞が物

  • (7) Please try to connect to a computer which exceeds the minimum CPU requirement. (最低のCPU要件を超えるコンピュータに接続してください)
  • (8) My office is equipped with a gym which I visit 2-4 times a week. (私のオフィスは私が週に2から4回訪れるジムが備わっています)
  • (9) We live in a house whose previous owner was an inexperienced DIYer. (前オーナーが経験の浅い日曜大工師だった家に住んでいます)

物が先行詞の場合、関係代名詞はwhich(主格・目的格)とwhose(所有格)が用いられる。(7)は主格、(8)は目的格、(9)は所有格の関係代名詞が使われている例。

物が先行詞の場合、主格および目的格の関係代名詞はthatも使用可能。(6)と(7)は以下のように言ってもよい。

  • (7′) Please try to connect to a computer that exceeds the minimum CPU requirement.
  • (8′) My office is equipped with a gym that I visit 2-4 times a week.

目的格の関係代名詞は省略できる。

  • (8”) My office is equipped with a gym I visit 2-4 times a week.

whoseは物が先行詞でも使える
whoseは人だけでなく物が先行詞でも使える。物が先行詞の場合、of whichで代用することもできるが、堅い表現とされる。

注: DIYはDo-It-Yourselfの略。専門業者でない人が、家具などを自分で作ったり修繕したりすること。

2-3. 先行詞が動物

  • (10) This is a dog that eats a lot of food. (これはたくさんの餌を食べる犬です)
  • (11) I have a pet dog who is with me everywhere! (どこにでもついてきてくれるペッドの犬を飼っています)

動物を先行詞にする場合、通常は(10)のように関係代名詞that(あるいはwhich)を使う。

ただし、ペットなど話し手の強い愛着がある動物の場合、(11)のように関係代名詞whoを使うこともある。

2-4. 先行詞が子供

  • (12) A baby who is teething is likely to bite on anything he can find. (葉が生えてきている赤ちゃんは見つけたものすべてを噛むおそれがあります)
  • (13) I have a baby which drinks only my milk. (私の赤ちゃんは私の母乳だけを飲みます)

先行詞が赤ん坊や子供の場合、通常は(12)のように関係代名詞who(あるいはthat)を使う。ただし、場合によって、(13)のように関係代名詞whichを使うこともある。

2-5. 先行詞が家族など

  • (14) I have a big family which includes 6 siblings, 5 of which are younger than I am. (6人の兄妹を含む大きな家族があります、うち5人は私よりも年下です)
  • (15) I still get calls from family who is asking to come and eat. (私は相変わらず来て食べないかと尋ねる家族から連絡を受けます)

先行詞がfamily(家族/家族の成員)やcommittee(委員会・委員会の成員)など、集団とその構成員をあらわす2通りの解釈がある場合、それによって関係代名詞の選択が変わることがある。

(14)は家族という集団について述べているため、関係代名詞whichが使われている。一方、(15)はある家族のうち誰かから連絡を受けているの意味なので、人をあらわす関係代名詞whoが使われている。

2-6. 先行詞が固有名詞

  • (16) I took my parents to Paris, which my mother had never been. (私は両親をパリに連れて行った、そこは母親が一度も訪れたことのない場所です)

固有名詞が先行詞の場合、原則的に非制限用法(コンマつき関係代名詞)を用いる。

制限用法(コンマなし関係代名詞)は先行詞の意味を特定・分類するはたらきを持つ。例えば、a girl who is reading a bookは「(世界に少女は無数にいるけれどその中でも)本を読んでいる少女」の意味。

しかし、固有名詞は世界にそれのみ存在する固有の事物だから、それ以上の特定・分類はできない。制限用法との意味的な相性が悪く、したがって非制限用法のみで使われる。

the+固有名詞は制限用法も可
the Paris which my father loves (私の父親が好きなパリ)のように固有名詞のある特定の側面を浮き立たせる場合、the+固有名詞を先行詞とした制限用法の関係代名詞も可。

2-7. 先行詞が前の文全体

  • (17) Everyone is equal under the law, which is not true in that country. (法律の下では誰もが平等です、それはあの国では真実ではありません)

先行詞が前の文全体を指すことがある。この場合、非制限用法(= コンマあり関係代名詞)を用いる。

3. 関係代名詞thatが好まれる先行詞

通常、主格の関係代名詞は先行詞にあわせてwhowhichthat、目的格の関係代名詞はwhowhom)、whichthatのいずれかを使う。

一方、先行詞の種類によっては、thatが好んで用いられることがある。以下、関係代名詞thatが好まれる先行詞を紹介していこう。

3-1. 唯一性をあらわす修飾語を伴う先行詞

  • (18) It must be the best movie that everyone in the world should watch. (それは世界の誰もが観るべき最高の映画です)
  • (19) The manakin bird is the only animal that can moonwalk. (マイコドリはムーンウォークができる唯一の動物です)
  • (20) My mother is the first person that comes to mind. (私の母親は思い浮かんだ最初の人です)

先行詞に最上級(もっとも…である)、the only(唯一の)、the first/last(最初の/最後の)など、唯一性をあらわす修飾語を伴う場合、関係代名詞thatが好んで使われる。

(18)は最上級、(19)はthe only、(20)はthe firstがついた先行詞の例。

3-2. 先行詞にanythingなどの数量詞がつく場合

  • (21) Is there anything that I can do to improve my credit record?
    (信頼履歴を改善できることは何かありますか?)
  • (22) I hope you find everything that you need.
    (あなたが必要とするすべてのことを見つけられるよう願っています)
  • (23) There is nothing that can be done for a broken camera.
    (壊れたカメラのためにできることは何もない)
  • (24) All that’s left to do at this point is clean up any rough spots with the Makeup.
    (この時点で残っていることはMakeup機能で粗い部分をきれいにすることです)
  • (25) There’s very little that can’t be recycled.
    (リサイクルできないものはほとんどない)
  • (26) There isn’t much that can be done to deter a wildfires path.
    (野火の軌道を抑止するために行われたことはそう多くない)

先行詞にanythingeverythingnothing等の数量詞がついている場合、関係代名詞thatが好んで使われる。

(21)はanything、(22)はeverything、(23)はnothing、(24)はall、(25)はlittle、(26)はmuchが先行詞に含まれる例。

人の意味のallはwhoも可
allが人の意味(すべての人)の場合、関係代名詞whoで受けることも可能。(24)は「すべての物」の意味なのでthatが好まれる。

3-3. 先行詞がbe動詞の補語 (人の性質)

  • (27) Jean is not the woman that she used to be. (ジーンは彼女がかつてそうであったような女性ではない)

先行詞がbe動詞の補語で、その人物の性質をあらわす時、関係代名詞thatが好んで使われる。

先行詞が人+物の場合
先行詞が「人+物」の場合、関係代名詞thatが使われる。

4. まとめ

この記事では、英語の先行詞について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 先行詞は関係代名詞によって修飾される語
  2. 先行詞は関係代名詞の直前にあることが多い
  3. 先行詞の種類によって使う関係代名詞が異なる
  4. 場合によって関係代名詞の選択が変わることがある
  5. 特定の先行詞は関係代名詞thatが好まれる

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

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