暗記不要!イラストでわかる可算名詞と不可算名詞の違い

可算名詞と不可算名詞

「可算名詞はdogのように1つ・2つと数えられる、不可算名詞はloveのように数えられない」。我々は英文法の授業や参考書で、英語の名詞をこのような定義で習ってきた。

しかし、あなたはこの説明に心から納得しているだろうか?

「数えられる」と「数えられない」は我々が常識を元に判断してもいいのだろうか? そうであれば、homework(宿題)は「宿題が3つもある」のように数えられそうであるが、英語では不可算扱いするのはなぜだろうか?

トイグルではこれらの疑問に答えるべく、英語の名詞の仕組みを、ネイティブスピーカーの持つ感覚を明らかにすることで、わかりやすく説明していきたい。

*目次

  1. 名詞に可算・不可算の区分は存在しない
  2. 名詞の種類
  3. 可算名詞の単数形の特徴
  4. 可算名詞の複数形の特徴
  5. 不可算名詞の特徴
  6. 可算・不可算の見分け方
  7. 上級編: 複数形と不可算名詞の共通点
  8. まとめ

1. 名詞に可算・不可算の区分は存在しない

従来の英文法では、英語の名詞は可算・不可算のどちらかに区分できるとしている。

例えば不可算名詞であれば、その性質によって次のようなリストを見た人も多いだろう。

  • 材料: wood(木材), coal(石炭), cheese(チーズ)…
  • 液体・気体: air(空気), water(水), wind(風)…
  • 感情・概念: love(愛), beauty(美しさ), wealth(富)…
  • 集合名詞: baggage(荷物), furniture(家具), money(お金)…

しかしながら、この方法を元に英語を学習していると、我々はすぐ壁にぶつかってしまう。

例えば、一般的に不可算名詞として区分されるsnow(雪)は、次のように可算名詞として用いることもできる。

  • The storm was one of the heaviest snows this winter. (可算: その嵐は今年の冬で最大の降雪だった。)
  • The trees were covered with snow. (不可算: 木はでおおわれている。)

(出典: Longman Advanced American Dictionary)

これを「可算・不可算の両方に使える例外」として処理していては、何万と存在するすべての名詞を覚えなくてはならない。暗記に頼っていては、一生かかっても英語を使えるようにならないだろう。

ここでトイグルでは認知言語学の知見を使い、英語の名詞の本質的な機能に注目した。

先のsnow(雪)の例を見てもわかるように、実は英語のすべての名詞は、文脈によって可算・不可算のどちらの用法でも使用可能なのである。言い換えれば、名詞には可算・不可算どちらかの性質が、もともと備わっているわけではないのだ。

英語の名詞: 文脈次第で可算・不可算のどちらの用法でも使うことができる。

(トイグル)

従来の英文法は、名詞が状況によって可算・不可算に変わる理由を説明できなかった。そこで、使用頻度からその名詞を大雑把に可算・不可算と区分し説明していたと思われる。

2. 名詞の種類

これまで見てきたように、英語の名詞は文脈次第で可算・不可算どちらの用法でも使うことができる。

  • 可算名詞(数えられる)
  • 不可算名詞(数えられない)

また、可算名詞はその対象物が1つだけの「単数形」と、2つ以上存在する場合の「複数形」で異なる文法的な使われ方をする。

したがって、数の面から見た英語の名詞は、次の3種類の用法に分類できる。

  • 可算名詞の単数形 (数える対象が1つだけ)
  • 可算名詞の複数形 (数える対象が2つ以上)
  • 不可算名詞 (数えられない)

ここで、「数えられる」と「数えられない」の判断は、すべて話し手が自分の主観で決めることができる。

  • 可算名詞 ⇒ 話し手が数えられると捉える
  • 不可算名詞 ⇒ 話し手が数えられないと捉える

(トイグル)

例えばlove(愛)のように形のない名詞でも、話し手が1つ・2つと区別したければ、可算名詞として使うことが可能だ。 

ただし、言葉は人々の習慣から成り立っている。ある名詞は可算として使われることが多かったり、逆に別の名詞は不可算用法が頻度の上で圧倒的なことは往々にして存在する。

なんでもかんでも話し手が勝手に決められるわけではないため、その点は注意が必要だ。

3. 可算名詞の単数形の特徴

ここから、具体的な可算・不可算の運用について解説していく。はじめに、可算名詞の単数形の特徴を取り上げよう。

英語のネイティブスピーカーは、無意識のうちに次の3つの特徴を持つ名詞を、可算名詞の単数形として捉えて使う。

  1. 境界線がある
  2. 分割できない
  3. 量でなく数で捉える

ここでは、book(本)を可算名詞として使う場合の例を用いて、説明していこう。

数えられる単語

特徴1. 境界線がある

すべての可算名詞の単数形は、そのモノに境界線が存在する。book(本)であれば、その四隅に区切りがあるのは明白だ。

数えられる単語

特徴2. 分割できない

可算名詞の単数形の語句は、分割すると元の形を失ってしまう。

例えば、book(本)を物理的に切断すると、元の本とは姿形の異なる別の物体が出来上がってしまう。

数えられる単語

特徴3. 量ではなく数で捉える

可算名詞は量ではなく数で捉える。本は1冊・2冊と数でカウントしていくことからも明らかだ。可算名詞の単数形を複製するには、その物体そのものを複製する必要がある。

数えられる単語

これら3つの特徴を踏まえ、可算名詞の単数形をやや抽象的に捉えれば、次のような図で表すことができる。リンカクのある物が一つだけある状態だ。

数えられる単語

*可算名詞の単数形の例

可算名詞の単数形を使っている例文を、いくつか見てみよう。すべていま紹介した3つの特徴が当てはまることを確認しながら、読んでみていただきたい。

  1. I bought a car yesterday. (私は昨日車を買った。)
  2. My son likes playing baseball. (私の息子は野球をするのが好きだ。)
  3. I have a love for the game of Go. (私は囲碁に愛着があります。)

1つ目、2つ目の例文はいたってシンプルだ。車も息子も境界線があり分割できず、量ではなく数で捉える。

3つ目の例について説明しよう、ここでは不可算として使われることが多いlove(愛)が、可算名詞として使われている。(冠詞aは可算名詞の単数形のみに使用される)。

可算で使われると、loveは概念としての愛ではなく、境界線があって1つ・2つと数えられる愛になる。数えられる愛とは、言い換えれば様々な物事に対して向けられる愛着の気持ちを指す。

このように、loveを可算名詞の単数形として使えば、従来の概念としての愛と異なるニュアンスを表現できるのだ。

4. 可算名詞の複数形の特徴

続いて、可算名詞の複数形が持つ3つの特徴を解説しよう。

英語のネイティブスピーカーは、無意識のうちに次の3つの特徴を持つ名詞を、可算名詞の複数形として捉えて使う。

  1. 境界線があいまい
  2. 構成要素すべてがその名詞を表す
  3. 数を増減させることができる

ここでは、book(本)の複数形booksを例に挙げ、説明していこう。

特徴1. 境界線があいまい

複数形とはその名の通り、単数形のモノが複数個集まった形を言う。英語では、数が2つ以上であれば、それが10でも100でも一律に複数形として扱う。

このように複数形は数が異なるため、境界線は存在しない。状況によって数が異なる以上、明確な区切りを描けないのだ。

数えられる単語

特徴2. 構成要素すべてがその名詞を表す

可算名詞の複数形は、そのコアの意味が共通しているモノの集合体と考えられる。言い換えれば、構成要素のすべてがその名詞を表す。

例えばbooksは、a book(1冊の本)が2つ以上集まった集合体だ。1つでもbook以外の物があれば、それはbooksと呼ぶことができない。

しかし、その本のすべてが全く同じ本である必要はない。別の著者の違う形の本であっても、book(本)である以上、複数形としてグルーピングできる。

数えられる単語

特徴3. 数を増減させることができる

可算名詞の複数形は、あくまで単数形のモノが複数個集まってできたカタマリにすぎない。

測り方の単位は「数」であり、構成要素を増やしたり減らしたりすることで、増減させることができる。

数えられる単語

これら3つの特徴を踏まえ、可算名詞の複数形を図で表すと次のようになる。単数形の物が複数集まり、集合体を作っている様子が伺える。

数えられる単語

*可算名詞の複数形の例

可算名詞の複数形を使っている例文を、いくつか見てみよう。ここでも先に紹介した3つの特徴が当てはまることを確認しながら、読んでみていただきたい。

  1. I ate some snacks. (私はスナックを食べた。)
  2. Their computers are expensive. (彼らのパソコンは高額だ。)
  3. They ordered a few beers. (彼らは何杯かのビールを注文した。)

1つ目と2つ目の例文はシンプルだ。複数形とは単数形が2つ以上集まったものなので、snacksはsnack(スナック)という境界線がある物体の集合体である。computersも同様の解釈ができる。

3つ目の例文について解説しよう。beer(ビール)は液体であるため、不可算として使われることが多い。

しかし、beer(ビール)は可算名詞の単数形として使えば、ジョッキに入った一杯のビールという意味になる。ジョッキが境界線となり、分割ができず1杯・2杯と数で数えるからだ。

ここでは、単数形としてのbeer(ビール)が複数あることから、beersが可算名詞の複数形として使われている。簡単に言えば、ジョッキに入ったビールが複数ある様子を示している。

5. 不可算名詞の特徴

次に、不可算名詞の特徴を説明していこう。

英語のネイティブスピーカーは、無意識のうちに次の3つの特徴を持つ名詞を、不可算名詞として捉えて使う。

  1. 境界線があいまい
  2. 構成要素のすべてがその名詞を表す
  3. 単位をつけて量で量る

ここでは、water(水)を不可算として使う場合を例に取り上げる。

特徴1: 境界線があいまい

不可算名詞は、可算名詞のように明確な姿・形のある物体ではない。

例えばwater(水)であれば、H2Oという物質の集合体が水を作っている。明確な境界線はなく、形が一定しない。

数えられない

特徴2: 構成要素のすべてがその名詞を表す

不可算名詞は、そのコアの意味が共通しているモノの集合体と考えられる。言い換えれば、構成要素のすべてがその語句を表す。

例えばwater(水)といっても、水道水、ミネラルウォーター、雨水など、様々な種類が存在する。それらは微妙に成分が違うはずだが、我々は一括して「water(水)」と捉えている。

つまり、「H2Oを主体として構成された液体」というコアのイメージが同じであれば、不可算名詞としてグルーピングすることができるのだ。

数えられない

特徴3: 単位をつけて量で量る

不可算名詞最大の特徴は、数ではなく量で量る点にある。

例えばwater(水)は、1ミリリットル、100リットルのように、何かしらの単位をつけなくては測ることはできない。「浴槽から水を12個取ってくる」と言えないことからも、明らかだ。

増減させるときは量そのものを増やしたり、減らしたりすることになる。

数えられない

これら3つの特徴を踏まえ不可算名詞を図で表すと、次のようになる。破線で描かれる小さな丸が構成要素であり、それらがゆるやかにまとまり、不可算名詞を形成している。

数えられない

*不可算名詞の例

不可算名詞を使っている例文を、いくつか見てみよう。ここでも先に紹介した3つの特徴が当てはまることを確認しながら、読んでみていただきたい。

  1. I need more information. (私はもっと多くの情報が必要だ。)
  2. His luggage has been stolen. (彼のカバンが盗まれた。)
  3. Prison is a good way to deal with social problems. (刑務所は社会問題の解決に有効な手段である。)

3つ目の例文を説明しよう。prison(刑務所)は可算名詞として使えば、それは建物としての刑務所を指す。壁や屋根などの境界線があり、分割はできず、1つ・2つと数えることができる。

しかし、prison(刑務所)を不可算として使えば、それは概念としての刑務所である。犯罪者を収容し、更生させるための社会的機能と考えればわかりやすいだろうか。

概念としての刑務所には当然ながら境界線はなく、数で測ることができない。したがって、不可算名詞として使われているのである。

6. 可算・不可算の見分け方

ここでは、可算・不可算の見分け方を3つ紹介しよう。これら3つは完璧な方法とは言えない、実際の場面では組み合わせて活用してほしい。

6-1. 冠詞で見分ける

aやtheなどの冠詞は、名詞の可算・不可算を見分ける重要なシグナルとなる。

  • a/an⇒可算名詞の単数形 (例: a book)
  • 無冠詞⇒可算名詞の複数形もしくは不可算名詞 (例: books, water)
  • the⇒すべての場合がありうる

残念ながら、theは可算・不可算問わずすべての名詞に使える。そのため、別の方法で判断しよう。

6-2. 動詞の活用で見分ける

名詞の直後に使われている動詞の形によって、可算・不可算を見分けることができる。

まずはbe動詞から見ていこう。

  • isかwas⇒可算名詞の単数形もしくは不可算名詞 (例: The book is… / The information was…)
  • areかwere⇒可算名詞の複数形 (例: Those CDs are…)

be動詞以外では、次のようになる。

  • 現在形の動詞に三単現のsがある⇒可算名詞の単数形もしくは不可算名詞 (例: My laptop works… / The information changes…)
  • 現在形の動詞に三単現のsがない⇒可算名詞の複数形 (例: Their computers work…)

ただし、過去形ではこの方法を使えない点に注意しよう。

6-3. 名詞の形で見分ける

名詞の形は、可算・不可算を見分けるヒントとして使うことができる。

  • 語尾にs/esがついている⇒可算名詞の複数形 (例: Books)

しかし、politics(政治学)など、語尾にsがついている単数形の語句も稀に存在するため、注意が必要だ。

このように、機械的に可算・不可算を区別することはあまり効率的ではない。

それより、これまで説明した方法で名詞の持つ本質的な機能を理解し、英文を読んだ時に直感的に区別できるようになるほうが、より実践的であると言えよう。

7. 上級編: 複数形と不可算名詞の共通点

最後に上級編として、可算名詞の複数形と不可算名詞の意外な共通点を紹介しよう。

英語では、名詞を使う際は何かしらの冠詞を用いる必要がある。theは可算・不可算問わず物事を特定する際に使う冠詞のため、aと無冠詞(=冠詞をつけない)を区別すれば、次のようになる。

  • 可算名詞の単数形: aをつける (例: a book)
  • 可算名詞の複数形: 無冠詞をつける (例: books)
  • 不可算名詞: 無冠詞をつける (例: water)

英語上級者の中には、可算名詞の複数形と不可算名詞という、一見異なる性質を持った2つの名詞にaをつけない(=無冠詞をつける)理由を疑問に感じていた方もいるかもしれない。これを、当エントリーの解説を元に説明しよう。

まず、不定冠詞aは「物事に境界線を与える」機能を持っている。そのため、境界線のある可算名詞の単数形と相性が良い。

一方、可算名詞の複数形と不可算名詞は共に「境界線があいまい」である点で一致している。イメージ図が似ていることからも明らかだろう。

名詞の違い

したがって、明確な境界線がない可算名詞の複数形と不可算名詞は、「物事に境界線を与える」機能を持つ不定冠詞aと相性が悪い。そのため、冠詞なし(=無冠詞)で使われるのだ。

また、可算名詞の複数形と不可算名詞は境界線以外にも、何らかの構成要素の集合体という点でも一致している。

ここから「可算名詞 vs 不可算名詞」と捉える従来の考え方は、英語の実態を捉えていないことがわかる。各名詞の性質を考えれば、「可算名詞の単数形 vs 可算名詞の複数形・不可算名詞」と考えるほうが自然ではないだろうか。

英語の名詞の分類(出典: Langacker 2013: p130)

非常にハイレベルな議論ではあるが、不定冠詞aのつけ方1つとっても、暗記ではなく理論で説明することができるのだ。

8. まとめ

当エントリーでは、英語の名詞の可算・不可算について議論をしてきた。簡単にまとめると、次のようになる。

  • 英語の名詞は、可算・不可算の区別がもともと備わっているわけではない。
  • 名詞の可算・不可算は文脈によって変わる。
  • 名詞は可算名詞の単数形、複数形、不可算名詞の3種類のいずれかの用法で使われる。

また、3種類の用法をまとめよう。

*可算名詞の単数形

  • 境界線がある
  • 分割できない
  • 量でなく数で捉える

*可算名詞の複数形

  • 境界線があいまい
  • 構成要素すべてがその名詞を表す
  • 数を増減させることができる

*不可算名詞

  • 境界線があいまい
  • 構成要素のすべてがその名詞を表す
  • 単位をつけて量で量る

このように名詞の可算・不可算は、我々が想像していたよりも深い世界となっている。巷で教えられる可算名詞と不可算名詞を区別する「簡単なコツ」が、いかに文法の本質を得ていないかも、おわかりいただけただろう。

英語の名詞はおそらく日本人が最も苦戦する文法だ。一歩一歩学習していこう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

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