多忙な社会人が英語リーディングを最速で上達させる全手法

english-reading

TOEIC受験、外資系企業への転職、MBA留学など、英語リーディング力を高めたい社会人は多い。

しかし、リーディングは成果が出るまで時間がかかるため、一度チャレンジしたものの学習を諦めてしまった方は多いだろう。

そこでトイグルでは、認知科学や外国語習得理論の知見を応用し、英語リーディング力を伸ばすための全手法を紹介しよう。

多忙な社会人が独学で勉強することを前提に、戦略的かつ効率的な勉強法を提案していきたい。

*目次

  1. 英語リーディングの4要素
  2. トイグル式英語リーディング勉強法の全体像
  3. 英語初心者のリーディング勉強法
  4. 英語中級者のリーディング勉強法
  5. 英語上級者のリーディング勉強法
  6. おすすめ英語リーディング教材
  7. おすすめ英語リーディングアプリ
  8. おすすめ英語リーディング学習サイト
  9. 英語リーディングお悩みQ&A
  10. まとめ

1. 英語リーディングの4要素

ビジネスシーンでの課題解決は、問題の徹底分析から始まる。英語でも同様に、リーディングの仕組みを理解することが、効果的な勉強法を考える基礎となる。

次の図は、我々が英語のリーディングを行う際に無意識に用いる、4つの要素を表している。

英語リーディングの4要素

英語リーディング力は、大きく分けて知識と処理によって構成される。順番に説明していこう。

1-1. 英語の知識

英語リーディングを構成する1つ目の要素が、英語に関する知識だ。スペル、単語、発音、文法など、我々が英語のクラスで習ってきたような項目を指す。

1-2. 背景知識

2つ目の要素が、その英文に対する背景知識だ。

例えば、アカウンティング(会計)の知識が全くない人が、アカウンティングに関する英文を読んだとしよう。その場合、いくらリーディング力が高くても、内容をすぐに理解することは難しい。

一方、アカウンティングの基礎知識があれば、多少英語力に難があっても内容把握が容易になる。背景知識があれば「あぁ、あのことを言っているのか」と推測できるのだ。

1-3. 言語処理

言語処理とは、習得した英語の知識を使って読解を進めていく力を指す。

我々が英語の文章を読む時、まずアルファベットのかたまりを単語として認識し、その意味を思い出し、そしてセンテンスの内容を理解するといった順番で読み進めるだろう。このような力を言語処理と呼ぶ。

1-4. 認知処理

英語リーディングの4要素の最後の項目が、認知処理だ。端的に言えば、我々がリーディング時に無意識に行っている内容理解の工夫を指す。

例えば英文を読んでいる際、わからない単語があったら、前後の文脈から意味を推測することができる。また、文中に直接書かれていない情報でも、文章のトーンや他の手がかりから、書き手の意図や感情を読み取れるだろう。

このようなプロセスを認知処理と呼び、リーディングで重要なスキルとなるのだ。

*英語リーディングの4要素まとめ

皆さんの中には「リーディング = 英語の知識」と信じ、ただ英語力を上げればリーディングが向上すると考えていた方がいるかもしれない。確かに、英語力(特に単語力)はリーディングで重要な要素であることに異論はない。

一方、実際は英語の知識だけでなく、他の3要素も等しく大切だ。英語リーディングの精度はこれら4要素の総合力によって決まるため、バランス良く伸ばしていくことが必要とされる。

トイグル式勉強法では、これら4要素のすべてをカバーできるよう設計している。

2. トイグル式英語リーディング勉強法の全体像

トイグル式英語リスニング勉強法の全体像について、簡単に説明しよう。

トイグルでは、学習者の英語レベルを次の3つの段階に分けている。

初心者
  • 英語の勉強は学生時代以来10年ぶり
  • 英単語1つ1つを翻訳しながら英文を読むため、非常にストレスが溜まる
  • 現在、TOEIC600点未満
中級者
  • 英語の勉強を数ヶ月から1年ほど継続して行っている
  • ある程度リーディングに慣れてきたが、文章が長かったり、単語が難しいものは苦手
  • 現在、TOEIC600〜800点
上級者
  • TOEICのような試験問題なら、リーディングに苦手意識はない
  • これから洋書に挑戦したいが英字新聞はハードルが高い
  • 現在、TOEIC800点以上

英語リーディング力を向上させるためには、大量のインプットを行うことが重要だ。そのため、極論を言えば「とにかくたくさんの英文を読む」ことが最善の方法となる。

英語リーディングの公式

しかし、我々ビジネスパーソンは英語学習に使える時間が限られている。最小の時間で最大の結果を出すためには、効率的なトレーニングが欠かせない。

そのため、トイグルでは英語レベルごとに合ったリーディング勉強法を紹介しよう。あなたに必要な箇所から読み進めてほしい。

3. 英語初心者のリーディング勉強法

リーディングに慣れていない初心者がいきなり英文を読んでも、それは苦痛以外の何物でもない。初心者の段階では、リーディングに必要な基礎力をつけることが重要だ。

そこで、トイグルでは英語初心者の学習テーマを次のように設定した。

テーマ: リーディングのための基礎力を備える

(トイグル)

具体的な学習項目を見ていこう。

3-1. 音読をする

音読とは、英語のテキストを声に出して読む練習法を指す。学校の授業で教科書を音読した経験は、日本人なら誰にでもあるはずだ。

音読は効果的なトレーニングの1つだが、正しく目的を理解した上で行わないと、ダラダラと英文を読むだけの「作業」になってしまう。

まず、英語初心者の場合、音読の目的は次の2点となる。

  • アルファベットの文字を脳内で音声化し、英単語に慣れ親しむ
  • 英文を読む中で、英語の文章構造を感覚で理解する

今の段階では、音読中に英文の意味を理解しようとする必要はない。英語に慣れていない状態で、音読と文章の理解を同時並行することは難しい。

音読は次の手順で行おう。

  1. 英文の音声を聞く(教材にCD等が付属している場合)
  2. 何度か英文を読み、意味を十分理解する
  3. 音読の目的を再確認する
  4. 音読を行う

マンネリ化を防ぐため、音読は様々なバリエーションをつけて行うと良いだろう。いくつか例を紹介したい。

  • 録音: スマートフォン等で自分の声を録音し、後で改善点を見つける
  • リードアンドルックアップ: 英文の一部分を黙読して記憶し、それを声に出す
  • 空所補充音読: 英文の一部分を隠しながら音読をする
  • 時間制限付き音読: 制限時間内に出来る限り長く音読をする

音読はできるだけ毎日行い、習慣化させることがベストだ。1日に5分から10分程度でいいので、集中して行うようにしよう。

3-2. 英語の文章の基本構成を知る

言語が異なれば、文章の構成も異なる。日本語の論説系の文章は起承転結の四部構成だが、英語の文章は「導入→本文→結論」の三部構成を取ることが多い。

英文の構成

次の文章を見てみよう。

In Japan, there are many types of marriage ceremonies. To make your marriage official, all you need to do is go to the city hall where you live and register. (中略) Western-style ceremonies are becoming more popular. It is said that about two-thirds of all the wedding ceremonies in Japan are now Western-style. 

(出典: Thayne, 2009: p99)

  • In Japanから始まる1行目が導入だ。「日本では多くの種類の結婚式があります」と述べることで、これから日本の結婚式に関する話をすることを、読者に明確に示している。
  • 2行目以降は本文となる。結婚式の開催方法や、西洋風など様々な結婚式に関して説明している。
  • そして、It is saidから始まる最後の文が結論だ。「いま、日本の全結婚式のおよそ3分の2が西洋風の結婚式である」と書いて、この文章を締めくくっている。

このように、英語では導入部分で問題定義をし、本文で詳細を説明した後、結論を述べる。万が一文章を読んでいて内容が頭に入らなかったら、導入と結論だけ繰り返し読むようにすれば、ある程度全体像を理解することができるだろう。

※英語でも小説やノンフィクションなどの物語においては、異なる文章形式がとられることが多い。

3-3. 主語・動詞・目的語を見抜く

英文の意味が理解できなくなる原因の1つに、文章内で語句の役割を認識できていないエラーが考えられる。特に初心者は、主語・動詞・目的語を正しく識別できないケースが多い。

まず、英語における主語・動詞・目的語の意味を正しく理解しよう。

  • 主語: 文章の主人公。英語では1つの文章に1つの主語。
  • 動詞: 主人公の動作や状態を表す語句。英語では1つの文章に1つの動詞。
  • 目的語: 主語の動作の対象となる語句。目的語たいてい1つか2つ存在する。
  • 追加情報: これら3つ以外のすべての語句。

英語では、書き手の表現したい内容によって、英単語を今挙げた4つの役割のいずれかに分類し使用する。

主語 英語2_160223.001

そのため、英文を読むには、その文章内でどの語句が主語・動詞・目的語に該当するか見極めることが重要だ。

例を見てみよう。

  • The whole class went to the beach after the exam finished. 

主語・動詞・目的語に分解すると、次のようになる。

例文の構成

このように語句の役割を識別することで、英語の文章が単なる単語の羅列から、意味を持ったメッセージへと生まれ変わるはずだ

たくさんの英文を読みながら、少しずつ文法力を高めていこう。

4. 英語中級者のリーディング勉強法

中級者は平易な単語で書かれた短い文章であれば、問題なく読めるレベルにいるだろう。

そのため、これからは様々な種類の英文に触れながら、英語リーディングの4要素をバランス良く向上させていくことが望ましい。

そこで、トイグルでは英語中級者の学習テーマを次のように設定した。

テーマ: 英語リーディングの4要素を徹底的に鍛える

(トイグル)

具体的な勉強法を見ていこう。

4-1. 精読と要約

日本人はTOEICなどの資格対策を通じ、英語リーディングを行うことが多い。どうしても解答ありきになってしまい、英文を丁寧に読んで内容を考える機会が乏しいように思える。

そこで、中級者は速読よりも精読を行おう。書店等で英語の教材を購入し、じっくり丁寧に読むことで、内容の深い理解や書き手の意図を把握できる力を身に付けるのだ。

精読のポイントは次の3点になる。

  • 興味のあるジャンルの本を選ぶ(必ずしもお勉強用のジャンルでなくても構わない)
  • 今の自分のレベルよりもはるかに難易度が低く、ページ数の少ない本を選ぶ
  • 時間をかけていいので、1冊を通読する

学習意欲の高い方は、読んだ英文の要約(サマリー)を書くとさらにリーディング効果が高まる。要約を書くためには高いレベルで本の内容を理解しなければならないため、精読の質を高めることができる。

精読におすすめの教材は、後ほど『6. おすすめ英語リーディング教材』で紹介しよう。

4-2. 単語力・文法力を鍛える

リーディングの4要素の中でも、「英語の知識」と「言語処理」は読解精度を左右する大きな要素だ。これらの基礎となるのが単語力と文法力であり、個別に対策をする必要がある。

*リーディングのための単語勉強法

単語の勉強のポイントは、英単語を和訳で覚えないことである。例えば、listenという単語を英和辞典と英英辞典で比較してみよう。

  • 英和辞典: 聴く
  • 英英辞典: to pay attention to what someone is saying

確かに、今の段階では日本語で意味を捉えたほうがわかりやすく、勉強は楽である。

しかし、リーディングは最終的に英語を英語のまま理解することを目的とする。英文を一度日本語に翻訳してしまうと、脳の無駄なリソースを使ってしまい、スムーズな読解を妨げてしまうことになるからだ。

従って、学習の負荷は増えるものの、英単語はなるべく英英辞典を使って覚えるようにしよう。慣れないうちは英和と英英辞典の両方を使っても構わない。

*リーディングのための文法勉強法

リーディングに必要な文法力とは、文法の持つ「意味」を理解することである。

これを理解するため、例として受動態(=受身形)と呼ばれる英文法を分解してみよう。

受動態の三要素

このように、英文法は形・意味・使い方の3要素に分解するとわかりやすい。

日本人は問題集やドリルを通じ、英文法の形を中心に学習する。しかし、英文をスムーズに理解するのに必要なのは文法の意味であり、形を分析する力ではない。

参考書には必ず文法の意味が載っているため、それを再確認することで、リーディングに必要な文法力を高めていこう。

4-3. 頻出100語を自動認識する

英語は、一部の基本的な単語が文章内に頻出して使われる。これらを覚えてリーディング中に自動認識できるようにすれば、読解の精度が格段に上がることが期待できる。

英語でよく使われる頻出100語は次のとおりだ。

a from  next these
about had no  they 
after has not  this 
all have now  through 
also he of  time 
an her on  to 
and here one  two 
any him only  up 
are I or  was 
as  if other  way 
at in our we
back into out well
be is over were
been it said what
before its she when
but like so where
by many some which
can may such who
could me than will
did more that with
do most the would
down much their years
even must them yes
first my then you
for new there your

5. 英語上級者のリーディング勉強法

英語上級者になる場合、リーディングの量と質を圧倒的に確保する必要が出てくる。

生の英文に触れる時間を増やしながら、認知処理の抜本改善を図ることで、読解の質を高めていくことが望まれる。

そこで、トイグルでは上級者のテーマを次のように設定した。

テーマ: 英語に触れる絶対量を増やしつつ、戦略的に英文読む

(トイグル)

具体的な勉強法を見ていこう。

5-1. 多読

リーディング量を確保する手段の1つに、多読がある。多読は洋書などの本をたくさん読む学習法で、リーディングだけでなくリスニング力を向上させる効果も報告されている。

上級者は基礎力が備わっているため、4要素を個別に向上させていくより、多読を通じてリーディング力を直接上げることが効果的だ。

多読の実践では次の4点を意識しよう。

  • 時間と場所を決めて読む
  • 今の英語レベルより一段難易度が低い本を選ぶ
  • 自分が心から興味を持って読める本を選ぶ
  • わからない単語があってもできるだけ辞書を引かない

この中でも特に重要なのが、本の難易度である。目安として、文章中の最低95%の語句の意味が辞書なしでわかるくらいの本がいいだろう。

失敗経験を紹介しよう。筆者が初めて洋書を購入した際、自分の身の丈に合わないレベルの本を選んでしまった。はじめの1ページを読むのに40分もかかり、ものの数ページで挫折してしまったことがある。

多読が初めての方は、「ラダーシリーズ」などの日本人向け多読教材を利用するといいだろう。慣れてきたら洋書に挑戦することをおすすめしたい。

トイグルのおすすめは、後ほど『6. おすすめ英語リーディング教材』で紹介しよう。

5-2. トップダウン・リーディングに切り替える

これまでリーディングを行う際、おそらく出てきた単語1つ1つを頭の中で翻訳しながら、文章を読み進めていたのではないだろうか。

はじめに単語の意味を考え、次に文法構造を把握し、それからセンテンスの意味を把握する。これを積み重ねることで文章全体の意味を理解する。

このように、小さな単位から大きな単位へと徐々に理解を進めていく方法を、ボトムアップ・アプローチと呼ぶ。

ボトムアップ・アプローチ

一方、英語上級者を目指すのであれば、トップダウン・アプローチでリーディングを行うことが望ましい。これはボトムアップの逆で、文章の全体像から内容を予測し、それを確認するために英文を読む方法となる。

トップダウン・アプローチ

具体的には、トップダウン・アプローチでは次の手順で英文を読み進める。

  1. タイトルや導入部分を読み、文章内容を推測する。
  2. 推測した内容を確認するような意識で読み進める。
  3. 重要な箇所を発見したら丁寧に読む。それ以外は流し読みで理解する。

トップダウン・アプローチ最大のメリットは、文章の処理速度が圧倒的に上がることである。そのため、ビジネスやアカデミックなシーンでは必須のスキルとなっている。

TOEICの長文読解でも、はじめに設問を読んで問われる内容を把握してから、本文を読み進めるよう指導されることが多い。これもトップダウン・アプローチの1つと言えよう。

※トップダウン・アプローチは、ボトムアップリーディングが高い水準で行えることが前提となっている。言い換えれば、意識せずとも単語や文章構造が理解できるから、トップダウンでの戦略的なリーディングが可能となるのだ。

5-3. スキム&スキャン

英語上級者のリーディングテクニックの1つとして、スキム&スキャンを紹介しよう。これは、スキミング(skimming)とスキャンニング(scanning)の2つの技術を合わせた速読術である。

はじめに、スキムとスキャンの特徴を理解しよう。

  • スキム: 文章全体に軽く目を通し、大意をつかむこと。
  • スキャン: 自分が探している情報を見つけ出すこと。

例えば、あなたがM&A(企業買収)の専門書を英語で読んでいるとする。ボトムアップ・アプローチで本を頭から全部読むと、とてもではないが時間が足りない。そこでスキム&スキャンを使おう。

手順は次のようになる。

  1. 目次を読んで全体像を把握する
  2. 自分が探している内容が書かれていそうな章を発見する(ここではデューデリジェンスと仮定しよう)
  3. 該当の章を5分から10分程度で目を通し、大意をつかむ(スキミング)
  4. デューデリジェンスの中でも、何の情報を探しているか明確にする(ここでは特にデューデリジェンス時の法務関連の情報が欲しいと仮定する)
  5. 該当の章をもう一度読み、必要な情報が書かれている箇所を探しだす(スキャンする)
  6. その箇所を読んで必要な情報を手に入れる

このように、スキム&スキャンでは英文を「情報の束」と考え、それを迅速に探しだす時に使える。そのため、小説やノンフィクションよりも、大学の教科書や専門書などで使えるテクニックだ。

英語の本でスキム&スキャンが使えるようになったら、あなたは一般的なネイティブスピーカーと同等、あるいはそれ以上のリーディング力を持っていると自信を持っていいだろう。

6. おすすめ英語リーディング教材

それではここから、トイグルおすすめの英語リーディング教材を紹介していこう。単語帳、書籍教材、そして多読用ビジネス洋書の三種類を取り上げる。

6-1. 単語帳

単語力はリーディング力を大きく左右する。レベル別におすすめの単語帳を3冊紹介したい。

*初心者向け: 世界一わかりやすい TOEICテストの英単語

英語は学生時代ぶりという超初級者におすすめの一冊が、カリスマ予備校講師・関正生氏による『世界一わかりやすい TOEICテストの英単語』だ。

この本では驚くべきことに1つ1つの語源が丁寧に解説されてるため、単語の意味が覚えやすい。TOEIC以外の英語学習にも十分役立つ単語帳である。

*中級者向け: 聞いて覚える英単語 キクタン TOEIC Test Score 600

中級者向けにおすすめの単語帳が、『聞いて覚える英単語 キクタン TOEIC Test Score 600』である。キクタンは音声と本の両方を使うことで、効率よく単語を覚えられるよう設計されているシリーズだ。

こちらもTOEIC用となっているが、内容はTOEIC以外のあらゆる英語シーンで使える語句が中心となっている。一冊きちんと終わらせれば、リーディングのための基礎力が身につくだろう。

*上級者向け: DUO 3.0

発売から16年が経過しているものの、いまだにAmazonの英単語帳ランキングで上位に入っている大ベストセラーが、『DUO 3.0』だ。DUOと書いてデュオと読む。

DUOは他の単語帳と一線を画す設計となっており、その特徴は次の3点となる。

  • 例文をはじめに読んでから単語を覚える
  • 例文は英米で実際に使われるような自然なもの
  • 単語の解説は辞書並みに詳しい

このように、DUOは文脈から単語を覚えることを目的とした単語帳だ。上級者はこれを使いこなすことで、単語力とリーディング力の両方を鍛えることができるだろう。

6-2. 書籍教材

次に、英語リーディングが学べる書籍教材を紹介していきたい。

*初心者向け: 英会話・ぜったい・音読 【入門編】—英語の基礎回路を作る本

英語初心者におすすめの教材が、『英会話・ぜったい・音読 【入門編】—英語の基礎回路を作る本』だ。

こちらは英語リーディング専門の教科書ではない。しかし、初心者ははじめから英文を読むより、音読を通じて英語に慣れることが重要だ。

筆者の60歳を過ぎた母親も、この本で40年ぶりに英語を再開したようだ。英語に自信がない方こそ、使っていただきたい教材である。

*中級者向け1: JAPAN FAQ (ラダーシリーズ)

リーディングの教材選びでは、文章レベルや英語の自然さだけでなく、興味を持って取り組める内容かどうかがポイントとなる。

中級者向けにおすすめする『JAPAN FAQ』は、多読のために作られたラダーシリーズというリーディング教材だ。日本の政治経済・文化・食など、我々が背景知識として持っている内容がほとんどのため、理解がスムーズに行えるだろう。

また、1つの章内で項目ごとに文章が構成されているので、英文が短い。Level4ではあるが、英語中級者におすすめの一冊である。

*中級者向け2: スティーブ・ジョブズ・ストーリー (ラダーシリーズ)

『スティーブ・ジョブズ・ストーリー』は、ジョブズのAppleの創業からiPhoneの大ヒットに至るまでのストーリーが、平易な英語でドラマティックに描かれている。

こちらは先に紹介した『JAPAN FAQ』と比べ、1つの章が長めの英文で構成されている。したがって、英語リーディングに慣れてきた中級者向けと言えよう。

6-3. ビジネス洋書

英語上級者がリーディング力を飛躍的に上げる鍵が、洋書の多読である。ここでは、社会人が必ず読んでおきたいビジネス洋書を2冊紹介しよう。

*ブルーオーシャン戦略 改訂版 (W・チャン・キム)

今やビジネス用語として当たり前に使われる「ブルーオーシャン」の語源になったのが、この『Blue Ocean Strategy』だ。

ブルーオーシャン戦略とは、競争の激しいレッドオーシャンを避け、既存商品に新たな価値の投入と既存の価値の削減によりつくり上げる、敵のいない独自の市場のことを指す。

平易な単語が中心となっている上、事前知識もいらないため読みやすい。洋書の入門書として最適な一冊だろう。

*The Art of the Start 2.0 (ガイ・カワサキ)

シリコンバレーの人気ベンチャーキャピタリストであり、起業家でもあるガイ・カワサキ氏が起業のエッセンスをまとめた本が『The Art of the Start 2.0』だ。

日本で起業というと「自由に自分らしく生きる人生」のような、自己啓発チックなものが目立つ。しかし『The Art of the Start 2.0』は本気で世界を変え、テクノロジーの力で世の中をより良くしたいと思う人のための、本物の起業本だ。

まるでプレゼンテーションを聞いているような、ユーモアたっぷりのカジュアルな文体で書かれているのが特徴である。

7. おすすめ英語リーディングアプリ

多忙な社会人であれば、スキマ時間は自分への投資に有効活用したい。そこで、ちょっとした時間に活用できるスマートフォン用英語リーディングアプリを紹介しよう。

7-1. ざっくり英語ニュース! (無料)

ざっくり英語ニュース

『ざっくり英語ニュース!』は、英語学習に特化した形のニュースキュレーションアプリだ。

このアプリではすべての英文記事に和訳がついている。そのため、英文を読んで「なんとなく」で留まっていた理解を、日本語の力を借りて「完璧」のレベルに引き上げることができるのだ。

アプリ内課金により、ネイティブ・スピーカーの英文読み上げ音声を購入することもできる。地道に使い続ければ、リーディング力の大きな変化に期待できるだろう。

7-2. 英語リーディングアプリPOLYGLOTS (無料)

英語リーディングアプリPOLYGLOTS

『POLYGLOTS』は、英語の記事を読んでリーディングを鍛える学習アプリである。

一見外国のアプリに見えるが、日本人向けに作られているため、日本語での解説も含まれている。多読で読解力を鍛えよう。

7-3. TOEIC Reading模擬試験 20回 (480円)

TOEIC Part7 模擬試験960問

『TOEIC Reading模擬試験 20回』は、その名の通りTOEICリーディングパートの模試20回分が収録されているアプリだ。

TOEICリーディングは文法・語彙問題のPart5、長文内単語穴埋めのPart6、そして長文読解のPart7の3パートから構成されている。専門的な語句は出てこないため、TOEICを目的としない英語学習者の練習になるだろう。

8. おすすめ英語リーディング学習サイト

英語リーディングは学習サイトを使って勉強することも可能だ。無料で使える3つのサービスを紹介しよう。

8-1. アルク TOEIC問題 毎日トレーニング

アルク TOEIC問題 毎日トレーニング

アルクは、日本でおそらく最も多くの種類の英語関連教材を販売している出版社だ。そんなアルクがTOEIC学習者向けに用意している「TOEIC問題 毎日トレーニング」を紹介しよう。

こちらのサイトでは、TOEICの問題が日替わりで3問ずつ出題される。通勤時などのちょっとした隙間時間に活用できるため、お気に入りに登録しておくと便利だろう。

8-2. 英語学習お助けサイト

英語学習お助けサイト

「英語学習お助けサイト」では、TOEIC Part5(短文穴埋め)に特化した問題を練習することができる。10問解くごとに答え合わせができるため、通勤中などの短時間で練習するのに適している。

日本語で作られたサイトのため、初級者にとっても負担が少ない。どんどん練習しよう。

8-3. The Japan Times

The Japan Times

「The Japan Times」は、日本のニュースを英語で発信しているメディアだ。内容は政治、経済、事件、文化など多岐にわたる。

新聞は英語リーディングの中でも、最も難しいジャンルの1つである。難解な語句や表現が多いため、上級者向けと言えよう。

9. 英語リーディングお悩みQ&A

ここでは、英語リーディング勉強法のよくあるお悩みについて、Q&A形式で回答していこう。

9-1. リーディング勉強法を試したものの、成果が上がりません。他にできることはないでしょうか?

リーディングを数ヶ月に渡って勉強し、試行錯誤を繰り返しても成果が実感できないことがある。その場合、考えられる理由の1つに「日本語の読解力」の問題があるだろう。

まず、冒頭で紹介した英語リーディングの4要素を思い出そう。

  • 英語の知識(英単語、文法等の基礎知識)
  • 背景知識(その英文に関する知識)
  • 言語処理(英語の知識を使って読解を進めていく力)
  • 認知処理(意味の推測など、文章理解の戦術)

この中で、いわゆる「読解力」に直結する力が認知処理である。文中の情報を脳内で結びつけ、書き手の意図を理解する力とも言える。

しかし、普段から日本語の本を読まない学習者は、この認知処理の力が養われていないことが多い。

もしあなたが、母国語である日本語の本を読んでも内容が理解できないのであれば、外国語である英語のリーディング力が停滞するのはある種当たり前ではないだろうか。

逆に言えば、日本語の高度な読解力があれば、多少英語力に難があっても、高い認知処理能力を使って英文を読めてしまう。日本語も英語も、リーディング力の根幹となる力は共通しているのだ。

※このように母国語と外国語の読解力が関連していると捉える考え方は、学問的にはThe Developmental Interdependence Hypothesisとして知られている。

9-2. ビジネスシーンで必要なリーディングとは?

N. J. Andersonという学者によれば、我々のように外国語として英語リーディングを行う人にとって、「流暢にリーディングができる」と判断される目安は次のようになる。

1分間に200ワード読めて、その内容の70%が理解できる。

(出典: Anderson, 2014)

ビジネスシーンで英語を使うのであれば、流暢にリーディングができるレベルには達していたい。従って、自分の得意なジャンルのリーディング力を、この水準に引き上げることを目標にするといいだろう。

参考までに、約200ワードの英文をお見せしよう。あなたはこれを1分間で読んで、70%の理解度を達成できるだろうか?

Discourse analysis is a rapidly growing and evolving field. Current research in this field now flows from numerous academic disciplines that are very different from one another. Included, of course, are the disciplines in which models for understanding, and methods for analyzing, discourse first developed, such as linguistics, anthropology, and philosophy. But also included are disciplines that have applied – and thus often extended – such models and methods to problems within their own academic domains, such as communication, cognitive psychology, social psychology, and artificial intelligence.
Given this disciplinary diversity, it is no surprise that the terms “discourse” and “discourse analysis” have different meanings to scholars in different fields. For many, particularly linguists, “discourse” has generally been defined as anything “beyond the sentence.” For others (for example Fasold 1990: 65), the study of discourse is the study of language use. These definitions have in common a focus on specific instances or spates of language. But critical theorists and those influenced by them can speak, for example, of “discourse of power” and “discourses of racism,” where the term “discourses” not only becomes a count noun, but further refers to a broad conglomeration of linguistic and nonlinguistic social practices and ideological assumptions that together construct power or racism.

(出典: Schiffrin, Tannen, Hamilton, 2008)

9-3. リーディングに必要な単語力はどのくらい?

単語力は英語リーディングにおいて、極めて重要な役割を果たす。単語の意味がわからなければ、文の内容は推測せざるを得ないため、言語処理と認知処理のペースを落とす結果になってしまう。

単語力と文章理解の関係は、学術的に明らかになっている。

  • 文章内の90%の単語を知っている→文章の50%を理解できる
  • 文章内の100%の単語を知っている→文章の75%を理解できる

(出典: Anderson in Celce-Murcia and McIntosh, 2014)

驚くべきことに、仮に文章内の90%の単語を知っていたとしても、理解の範囲は文章の約50%にとどまる。10単語に1語知らないだけで、理解力が格段に下がってしまうのだ。

また、多読時に難易度の低い教材を選ぶ理由が、このデータからわかるだろう。多読は英語の知識と言語処理に負荷をかけずに行うことで、背景知識と認知処理を強化することができる。

10. まとめ

当エントリーでは、社会人が英語リーディング力を伸ばすために全手法をまとめてきた。

勉強法を中心に解説したものの、教材やアプリの紹介も行った。学問的な裏付けも含めて解説することで、筆者の個人的な経験だけに基づく内容でないことも、お分かりいただけたと思う。

英語は地道な努力が成果に結びつく世界だ。少しずつ、しかし効率的に勉強し、目標を達成しよう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

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