社会人必見!英文法の超効率的な勉強法「グラマリング」の実践方法

英文法 勉強法

英語を学んでいる皆さんは、単語の暗記方法や、シャドーイングを通じたリスニング学習など、様々な勉強法を試したことがあるだろう。

しかし、なぜか英文法の勉強法に関心を持たれることはない。文法書を読んで練習問題をこなすことが、最も効率的な方法なのだろうか?

そこでトイグルでは、多忙な社会人が英文法を効率的に学習できる「グラマリング」と呼ばれる手法を紹介していこう。これは日本ではまだほとんど知られていないが、英語教育研究では大きな支持を集める注目の学習法である。

*目次

  1. 従来の英文法勉強法が役に立たない理由
  2. グラマリングとは何か
  3. グラマリングを使って文法をシンプルに解釈しよう
  4. グラマリングの3要素を強化する勉強法
  5. 英文法学習のお悩みQ&A
  6. おすすめ英文法参考書
  7. まとめ

1. 従来の英文法勉強法が役に立たない理由

はじめに、従来の英文法学習の問題点をおさらいしていこう。

多くの日本人は学校、予備校、民間のTOEICスクール等で、英文法を次のように教わる。

  • 時や条件を表す副詞節の中では、未来のことも現在形で表します。
  • 補語として使われる主格の関係代名詞は、省略されることがあります。

確かに、これらは英文法に関する説明としては正しい。しかし、これを読んで「なるほど!」と心から納得し、英文法をスラスラと使えるようになる人がどれほどいるだろうか?

結局のところ、従来の英文法学習で教わるのは「英文法に関する知識」であって、実際に話したり読んだりするに必要な文法能力を身に着けているわけではなかったと言える。

そのため、日本人はマニアックな文法問題は解けるものの、いざ使おうとした場面で中学レベルの文章すら作れないのだ。

2. グラマリングとは何か

文法学習が実践レベルに応用できない問題は、日本だけでなく世界の英語学習現場でも発生している。そこで、米国ミシガン大学のLarsen-Freeman教授によって開発された文法学習法が、グラマリングだ。

グラマリング最大の特徴は、文法を次の3つの要素に分けて学ぶ点にある。文法を単なる知識の詰め込みから、実践で使える「習得」レベルに引き上げることが、グラマリングの主な目的である。

英文法の三要素

(Larsen-Freemanより筆者作成)

1つずつ説明しよう。

  • 文法の形: 語句の変化などの文法規則のこと (例: be動詞の活用)
  • 文法の意味: その文法が持つメッセージ (例: 現在形は普遍的な事実を表す)
  • 文法の使い方: その文法が使われる場面や状況 (例: カジュアルvsフォーマル、話し言葉vs書き言葉)

例えば、受動態をこの3要素に当てはめると、次のようになる。

受動態の三要素

  • 受動態の形: be動詞+動詞の-ed形
  • 受動態の意味: 「〜される」の意味。動詞の動作の対象が主語となる。
  • 受動態の使い方: 動作が行われる対象を強調したい時、その動作を行った人物が誰かわからない時、客観性のある文を書きたい時など。

これまでの日本の英文法学習では、「文法の形」に極端にこだわり過ぎていた傾向にある。

そのため、「文法の意味」を知らずにリーディングやリスニングを行っても、無数の英単語の連続がどのような意味を形成するのか理解できなかった。また、「文法の使い方」を習得せず会話やライティングをしようとしても、自分が言いたい内容をどの文法でどうやって表現したらいいのかわからない。

グラマリングを通じて文法を学ぶことで、知識としての文法を、実際に使える能力として習得することができる。結果的に、次の3つの能力を伸ばすことができるのだ。

  • 正確な文法が使えるようになる
  • 文法の持つ意味を正しく発信することができる
  • 場面に応じて適切な文法が使えるようになる

(Larsen-Freemanより筆者作成)

ビジネス英語、留学、TOEIC対策など、グラマリングは目的を問わず機能する勉強法である。

※グラマリング(grammaring)は、文法を意味するgrammarに、進行状態を表す-ing形が組み合わさった造語である。

3. グラマリングを使って文法をシンプルに解釈しよう

グラマリングに慣れ親しむため、英文法の3要素を使い、これまで日本人が苦手としていた文法を説明してみよう。

3-1. 現在完了形

従来の英文法では、現在完了形は次のように説明される。

現在の状況と関わりを持っている過去の動作・状態を、have/has+過去分詞を使って結びつける。動作の完了、結果、経験、状態の継続を表す。

(よくある現在完了形の説明)

全くもって意味不明だ。現在完了は現在のことなのか、過去のことなのか。過去分詞とは何なのか。現在「完了」と言っているのに、結果・経験・継続とはどういうことなのか。国語の問題より難しい。

そこで、現在完了形をグラマリングのフレームワークに当てはめてみよう。

現在完了形の三要素

  • 現在完了形の形: have/has+動詞の-ed形
  • 現在完了形の意味: 主語が動詞の動作を完了した状態を、have/hasしている。
  • 現在完了形の使い方: 現在完了形はhave/hasを使うため現在時制。会話・文章問わず広く使える。

複雑と思われがちな現在完了形も、形・意味・使い方に分類すればキレイに整理できる。

尚、「現在完了形では、yesterday(昨日)など特定の過去を表す語句を使えない」と教わるのは、それがルールとして決まっているからではない。

現在完了形は動詞have/hasの現在形が使われるから、時制は現在なのだ。yesterday(昨日)と相性が合わないのは当然である。

3-2. 関係代名詞

関係代名詞は、従来の英文法で次のように説明される。

関係代名詞は代名詞として働くと同時に、先行詞と結びつく接続詞としての機能も持つ。主格の場合はwho, which, that、所有格の場合はwhose、目的格の場合はwhom(who), which, thatを用いる。

(よくある関係代名詞の説明)

またしても意味不明だ。代名詞と接続詞はなんとなくわかるが、関係代名詞はその両機能を持つとはどういうことか。主格・所有格・目的格とは何なのか。whoやthatなど複数の語句が使えるが、その違いは何なのか。

では、関係代名詞をグラマリングのフレームワークに当てはめてみよう。

関係代名詞の三要素

  • 関係代名詞の形: 対象となる名詞が人ならばwho, モノ・コトならばwhich、両方に使えるのがthat。名詞のモノを表すのはwhose。
  • 関係代名詞の意味: 名詞に文章を連結させて意味を付け足す。
  • 関係代名詞の使い方: 話し言葉でも使われるが、書き言葉での使用頻度のほうが高い。比較的フォーマル。

3つの要素に分けることで、難解と思われがちな関係代名詞を整理できる。

特に、従来の英文法では軽視されていた関係代名詞の使い方について学べるため、実践的な文法力の基礎が身につくだろう。

3-3. 分詞構文

分詞構文は、次のような説明がされることが多い。

分詞が動詞と接続詞の働きを兼ね、その句が副詞句として使われるとき、これを分詞構文と呼ぶ。時、原因・理由、付帯状況、条件、譲歩などを表す。

(よくある分詞構文の説明)

もうこれ以上のツッコミは入れない。おそらく教えている側も、分詞構文が何なのかわかっていないのだろう。

グラマリングのフレームワークで分詞構文を検証しよう。

分詞構文の三要素

  • 分詞構文の形: 動詞の-ing形か動詞の-ed形
  • 分詞構文の意味: -ing形の場合は一時的な動作、-ed形の場合は動作の完了
  • 分詞構文の使い方: 文頭や文末、時には文中に挿入されることがある。どちらかと言うとカジュアルな表現で、固い文章にはあまり見られない。

時、原因・理由、付帯状況、条件、譲歩などの細かな意味は、翻訳者や通訳になる場合以外には必要でない。

-ing形が持つ「一時的な動作」と、-ed形が持つ「動作の完了」という基本イメージを知っていれば、簡単に文の意味の解釈ができるのである。

グラマリングのフレームワークは、他のあらゆる文法項目に当てはめることができる。わからない文法があれば、まずは3要素に分けて考える習慣をつけるといいだろう。

4. グラマリングの3要素を強化する勉強法

次に、グラマリングの3要素を強化する勉強法を解説していこう。

尚、オリジナルのグラマリングは、英語教師が文法のレッスンで活用するために作られたフレームワークである。そのため、教室ではグループワークなどのコミュニケーションを主体とした方法で、文法学習を進めていく。

トイグルではこれを、大人の英語学習者が1人で実践できるよう、カスタマイズして紹介していきたい。

4-1. 文法の形を勉強する方法

文法の形は、語句の変化などの文法規則のことを指す。もしあなたが、ある文法の形に関する理解度が足りないと思ったら、市販の問題集を使って次の練習をしてみよう。

  • 穴埋めドリル
  • 正しい形を選ぶ問題
  • 間違い探し問題

市販の文法ドリルや問題集には、こういった形に関する問題が多数収録されている。これらを繰り返し繰り返し練習することで、文法の形を身につけることができる。

4-2. 文法の意味を勉強する方法

文法の意味とは、その文法が持つメッセージ性のことを指す。代表的な勉強方法は次の2種類だ。

  • 英文を読む (リーディング)
  • 英文を聴く (リスニング)

文法の意味は、その文法が使われている文脈に依存する。そのため、リーディングやリスニングを通じ、実際にその文法が使われている場面を理解することで、自然と感覚を身につけることができる。

ここで重要なポイントは、今の自分の英語レベルよりも数段階やさしい教材を使うことにある。

目安として、9割以上の単語が理解できるような教材を使おう。意味が頭にスッと入らなければ、文法の持つメッセージ性を理解することはできない。

4-3. 文法の使い方を勉強する方法

文法の使い方とは、その文法が選ばれる場面を正しく知ることである。代表的な勉強方法は次の2種類だ。

  • 英語を書く (ライティング)
  • 英語を話す (スピーキング)

使い方を知る最も効果的な方法は、自らがその文法を使い、迷い、試行錯誤することにある。ライティング・英会話を通じて実際に英語をアウトプットすることが、文法学習には効果的だ。

日本人にとって、ライティング・スピーキングは敷居が高い。特にこれらは1人では勉強しづらいため、どうしても優先順位を下げてしまいがちだ。

しかし、これらアウトプット系の科目は、英語を「学習」から「習得」に高めるためには絶対に必要である。今はオンラインで学べる安価な英会話やライティングのサービスがあるため、金銭的・時間的ハードルも低くなっている。

おっくうになる気持ちはわかるが、ぜひとも挑戦してみよう。

5. 英文法学習のお悩みQ&A

英文法は誰もがスムーズにいかず、壁にぶつかってしまう。ここでは文法学習Q&Aとして、よくある質問に答えていきたい。

5-1. 文法を覚えられない!

文法を覚えられず、すぐに忘れてしまうような悩みを抱える学習者は多い。

これは文法を一応頭で理解したものの、習得がまだ十分でないことを意味する。文法は暗記するものではなく身に付けるものなので、習得度合いが低ければ忘れてしまうのは当然だ。

例として、冠詞aを習得する過程の一例を表してみよう。

  1. 冠詞aの形・意味・使い方を一通り学ぶ。
  2. 数えられる名詞と数えられない名詞について学ぶ。すると、冠詞aは数えられない名詞に使う場合もありうることを知る。
  3. 冠詞theの使い方を学ぶ。aとtheの使い方で混乱する。
  4. theの理解を深めるうちに、冠詞にはaとtheの他に、無冠詞があることを知る。
  5. 前置詞ofと共に使われる名詞にはtheがつくことが多いが、aが使われるケースも知る…

このように、ある文法項目は他の文法と密接な関わりを持っていることが多い。そのため、1つの文法を理解したつもりでも、他の文法項目を学べば、はじめに勉強していた文法をより深く知るようになるのだ。

したがって、文法知識を理解しただけでは、すぐに覚えられないばかりか、問題集やドリルでミスを犯してしまうのは当然である。気にせず学習を進めよう。

5-2. 文法が理解できない!

実は、英文法は日本人が思っているほど難しいものではない。英語ネイティブなら子供でも使えるのだから、文法は本来シンプルにできているものである。

それでも英文法が難しいと感じる最大の原因は、文法を必要以上に難しく学んでいるからに他ならない。簡単に言えば、読んでいる参考書が悪いのだ。

冒頭で挙げた例をもう一度見てみよう。

  • 時や条件を表す副詞節の中では、未来のことも現在形で表します。
  • 補語として使われる主格の関係代名詞は、省略されることがあります。

このように文法用語を多用し、「文法の形」にばかり教える参考書は百害あって一利なしだ。今すぐ新しい参考書に切り替えよう。

後ほどトイグルおすすめの文法書を紹介したい。

5-3. 文法の勉強ってどのくらいの時間がかかるの?

英文法の習得には個人差が大きく影響する。色々な要素があるが、代表的にはつぎのようなものが考えられる。

  • 母国語
  • 年齢
  • 性別
  • モチベーション
  • 自信と不安
  • 学習環境

そのため、一般論として文法の習得にどれほどの時間がかかるかを示すことは難しい。

しかし、文法の習得をする過程での理解度の変化は、次のようにイメージ図で表すことができる。

文法習得のイメージ

  • 英語初級者は、習った文法項目をまだバラバラに理解している段階だ。それぞれの関連性が見いだせない。
  • 英語中級者は、いくつかの文法項目の関連性が見いだせるようになる。例えば、冠詞であれば数えられる名詞・数えられない名詞がその判断に関連していることを、理解するようになる。
  • 英語上級者は、多くの文法が互いに関連しあっていることを理解している。

あなたの文法理解度はどの辺りに位置しているだろうか?

6. おすすめ英文法参考書

最後に、トイグルおすすめの文法参考書を紹介しよう。

初級者向け: 10年ぶりの英文法 (阿川イチロヲ)

  • 難易度: ★☆☆☆☆
  • わかりやすさ: ★★★★★
  • おすすめ度: ★★★★☆

はじめに紹介するのは、『10年ぶりの英文法』だ。文字通り、10年あるいはそれ以上の英語ブランクが空いた方が、一から英語をやり直すのに向いた本である。

最大の特徴は、英文法の機能を学習者目線で紹介している点にある。例えば、動詞であれば「文の心臓となる語句。動作や状態を表す」など、他の参考書が省略しがちな基礎の説明を丁寧に行っている。

285ページあるが、頭から最後までを完璧にこなす必要はない。気楽に取り組んでも成果がでる一冊である。

中級者向け: 一億人の英文法 (大西 泰斗、ポール・マクベイ)

  • 難易度: ★★★☆☆
  • わかりやすさ: ★★★★☆
  • おすすめ度: ★★★★☆

『一億人の英文法』は、英文法書として異例のベストセラーとなった参考書だ。英文法のほぼ全項目が網羅されている、総合文法書である。

従来の文法書が文法機能の分類を説明しているのに対し、『一億人の英文法』では文法の「使い方」に特化している点が特徴と言える。「話すための英文法」をテーマとしているが、リーディングやライティングにも十分役立つ。

上級者向け: イメージで捉える感覚英文法 (今井隆夫)

  • 難易度: ★★★☆☆
  • わかりやすさ: ★★★★★
  • おすすめ度: ★★★★★

『イメージで捉える感覚英文法』は、英語ネイティブが持つ文法の感覚を平易な言葉で説明している。限られた文法項目のみの解説となっているので、文法知識を深めたい上級者向けの一冊だ。

例えば、これまで-ing形は進行形・分詞構文など、使用場面が変わるだけで違う意味を持っているかのように説明されていた。しかし、-ing形は「今まさに起こっている出来事」の基本イメージを持っている。これを知っておけば、文法を暗記せずとも-ing形の文章を簡単に解釈できるのだ。

他にも、名詞の可算・不可算、時制、相など、基本的だが奥が深い文法項目の解説はまさに目からうろこである。一歩上の英語力を求める方には絶対おすすめの参考書だ。

7. まとめ

当エントリーでは、英文法の勉強法をグラマリングを中心に説明してきた。

5つの重要な点をまとめよう。

  1. これまでは「英文法について」勉強していただけで、「英文法そのもの」を学んでいたわけではない。
  2. 使える英文法とは、文法レベルを「習得」まで引き上げること。
  3. 文法学習の目的は正確性、正しい意味、適切な文法を選べるようになること。
  4. 英文法の三要素は形、意味、使い方。
  5. 文法学習は段階的なプロセスである。

英語学習は果てしない道のりであり、「突然話せるようになる」などということはありえない。地道に、かつ効率的に学習を進めることで、使える英語を習得していこう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

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