受動態とは|簡単にわかる英語の受動態の使い方まとめ

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受動態あるいは受身形は、学校英語において比較的初期段階で教えられる。

しかし、TOEIC等で問われた時、意外なほど受動態に苦戦している日本人が少なくない。

そこでトイグルでは、受動態の使い方を今一度再確認しつつ、この文法の持つ奥深さについて解説していこう。

受動態の真の背景を理解することで、適切的確に使いこなせるようになるのだ。

1. 受動態とは何か?

まずは、受動態の基本事項を確認していこう。既に理解している中・上級者の方も、復習のつもりで読んでもらえると幸いだ。

尚、これは「受身」とも呼ばれるが、本稿では「受動態」の名称で統一していこうと思う。

1-1. 受動態の定義

コリンズコウビルト英英辞典によれば、受動態(passive voice)は次のように定義されている。

The passive or the passive voice is formed using “be” and the past participle of a verb. The subject of a passive clause does not perform the action expressed by the verb but is affected by it.

(意訳: 受動態はbe動詞と動詞の過去分詞形を使って作られる。受動態の主語は動詞の動作を行わない代わりに、動作に影響される存在となる。)

出典: コリンズコウビルト英英辞典

簡単に言えば、一般的な英文(能動態)では主語が動作を行うのに対し、受動態では逆に主語が動作の対象そのものとなるのだ。受動態が「受身」とも呼ばれるゆえんである。

1-2. 受動態と能動態の違い

一般的な英文(能動態)と受動態の違いは、例文を使って考えたほうがわかりやすい。次の2つの文章を意味の面から比べてみよう。

  • I lock the gate at 10 o’clock every night. (私はそのゲートを毎晩10時に閉める。)
  • The gate is locked at 10 o’clock every night. (そのゲートは毎晩10時に閉められる。)

1つ目の例は能動態が使われた一般的な文章だ。主語”I (わたし)”が、”lock the gate (ゲートを閉める)”という動作を行っている主体となっている。能動態は「(主語が)〜する」と考えれば理解しやすいだろう。

一方、2つ目の例では主語”The gate (そのゲート)”が “is locked (閉められる)”という形で、動作が行われる対象となっている。このように動作の対象を主語にする文の形は受動態と呼ばれる。「(主語が)〜される」と覚えよう。

一般的には、次のような場面で受動態が使われることが多い。

  • 動作が行われる対象を強調したい時
  • その動作を行った人物が誰かわからない時
  • その動作を行った人物を特定する必要がない時
  • その動作を行った人物にあえて言及しないことで、客観性のある文を書きたい時
※ 先の2つの例文は同じことを言っているが、ニュアンスは若干異なる。1つ目の文ではゲートを閉じる人物である「わたし」が強調され、2つ目の文では「(誰が行ったかに関係なく)そのゲートが毎晩10時に閉まる」という面が強調される。

1-3. 規則変化動詞と不規則変化動詞

受動態を学習するために必要不可欠な知識に、動詞の規則変化と不規則変化がある。既に知っている方は、読み飛ばしてしまっても構わない。

英語では動詞の形を変えることで、現在・過去等の時制を表現することができる。その際、動詞の語尾に”-ed”をつけるだけで過去を表現できる規則変化動詞と、動詞の形が不規則に変化する不規則変化動詞の2種類があるのだ。

動詞の種類はbe動詞、規則変化動詞、不規則変化動詞の3種類に分類されます

次の表は、規則変化動詞の形の変化を”walk(歩く)”を例にとって表している。現在形は単数・その他を除いてそのままの形、過去と完了形では動詞の語尾に”-ed”をつけるだけである。

原形 現在 過去 完了(過去分詞)
単数 複数 単数・複数 単数・複数
walk I walk We walk I / We walked walked
You walk You walk You walked
その他 walks その他 walk その他 walked

不規則変化動詞は変化の仕方が動詞によって様々である。ここでは”go”を例にとって紹介しよう。過去及び完了形で、原形と全く異なる”went”と”gone”がそれぞれ使われていることがわかる。

原形

現在

過去 完了(過去分詞)
単数 複数 単数・複数 単数・複数
go I go We go I / We went gone
You go You go You went
その他 goes その他 go その他 went

ここでは、動詞には規則変化と不規則変化の2タイプに分かれていることを理解しておけば問題ない。

尚、これらに関しては『なるほど!不規則変化動詞一覧表と簡単に暗記できる3原則』で詳細を説明している。より深く学習したい方はこちらもご覧頂きたい。

2. 受動態の文法規則

これまで、受動態の英語での役割について説明してきた。ここからは、受動態を作るための文法について解説していこう。

2-1. 受動態の作り方

一般的な文(能動態)は、主語に動詞を組み合わせるだけで作ることができる。

能動態 = 主語+be動詞/動詞

  • I lock the gate at 10 o’clock every night. (私はそのゲートを毎晩10時に閉める。)

能動態では、主語”I”の次に動詞”lock”が使われている。もし過去形にしたければ、”-ed”をつけて”locked”にするだけだ。

対照的に、受動態ではbe動詞に動詞の完了形(=過去分詞形)を組み合わせる。

受動態 = be動詞+動詞の完了形

  • The gate is locked at 10 o’clock every night. (そのゲートは毎晩10時に閉められる。)

受動態では、まずは主語”The gate”の後ろに適切な形のbe動詞を配置しよう。

ここでは時制が現在で、主語が3人称単数(=単数・その他)なので”is”を選択した。そしてその次に、”lock”の完了形”locked”を並べている。これだけで、「〜された」という受動態の意味になるのだ。

尚、根本的な理由としてなぜ「be動詞+完了形」が受動態になるのか知りたい方は、後ほど「3-3. 受動態は完了と同じイメージ」をご覧頂きたい。

2-2. 受動態と能動態を書き換えるための3ステップ

これまで説明したように、能動態と受動態は同じ文章の強調したい箇所を変えただけなので、原理的にはそれぞれを書き換えることも可能だ。能動から受動へ書き換えるための3ステップは、次の通りである。

  1. 能動態の文の動詞をbe動詞+完了の形にする
  2. 能動態の文の目的語を受動態の文の主語にする
  3. 能動態の文の主語を受動態の文の動作主にする

これまで使ってきた例文”I lock the gate at 10 o’clock every night.”で説明しよう。ステップ1にあるように、動詞はbe動詞+完了の形に変える必要がある。まだ主語がわからないので、取り急ぎ”lock”は次のようにしよう。

  • be locked

次に、文の主語を決める。先の例では”the gate”のみが目的語なので、これを強調するために受動態にする。主語が決まったので、先のbe動詞も”is”に変化させよう。

  • The gate is locked

ステップ3では、元の文の主語”I”の処理方法を決める。

学校英語等で学ぶ”by ◯◯”という、言い方は実際の英語ではあまりされない。この文脈では「私によって」を省いても意味として成立するので、ここではいったん省こう。

元の文にあった”at 10 o’clock every night”はそのまま使えるので、これをつなげることで受動態の文を完成させる。

  • The gate is locked at 10 o’clock every night.

この流れを図にすると、次のようになる。試験以外では書き換えをする機会はそう多くないが、原理原則を理解する上で重要だ。

能動態と受動態の書き換え

2-3. 助動詞と共に用いる受動態

受動態は助動詞と共に使うこともできる。助動詞の後ろの動詞は常に原形となるため、be動詞をそのまま”be”の形で使うだけである。

  • The gate can be locked with this special key. (ゲートは、この特別な鍵を使って閉めることも可能です。)
  • We won’t be beaten. (私たちは負けない。)

2-4. be動詞の代わりに用いられるget

カジュアルなシーンの話し言葉では、be動詞の代わりに”get”が使われることがある。

意味としてはほぼ同じだが、”get”のほうがその動作が行われた結果の状態よりも、行う瞬間にフォーカスを当てているようなニュアンスに聞こえる場合がある。

  • His car gets cleaned everyday. (彼の車は毎日清掃される。)
  • My wife got injured due to the earthquake. (私の妻は地震によって怪我をした。)

2-5. 受動態と共に使う前置詞

受動態を使った文では、その動作を引き起こしたヒト・モノ・コトを表現するために、前置詞が使われることがある。

動作を行うヒトを表現する場合は、前置詞”by”を使おう。

  • The gate is locked by the guards at 10 o’clock every night. (そのゲートはガードマンによって毎晩10時に閉められる。)

その動作を行うために使われたモノを示す場合、前置詞”with”を使うことができる。

  • My son was skilled with a knife. (私の息子はナイフで殺害された。)

3. 受動態トリビア

これまで、受動態の基本的な使い方を説明してきた。

ここからは、巷の参考書や文法解説サイトで紹介されていないような、より実用的な受動態について説明していこう。

3-1. 受動態なフォーマルな場面で使われる

受動態は、会話よりも本などの書き言葉で使われることが多いフォーマルな文体だ。

例えば論文等では言説の客観性を表現するため、受動態が多用される。(最近は”I”を主語にする論文も増えてきたが。)

First, it was found that certain features such as choice of voice are ascribable to general differences between the two languages. Second, it would appear that personal pronoun use, sentence length and transition word selection can be aligned with expectations as to what constitutes appropriate academic style. Thirdly, differences in the way the research reported is ‘‘situated’’ are most likely due to differences in discourse community size. The methodological implications of these studies are discussed at the close.

話し言葉でも、改まった場面のスピーチ等であれば受動態が使われることもある。尚、カジュアルな話し言葉で受動態を使いたいなら、「2-4. Beの代わりに用いられるget」で説明したように、be動詞の代わりに”get”を使うこともできる。

3-2. 受動態と現在完了が似た形を取る理由

受動態は、be動詞に動詞の完了形(=過去分詞)を組み合わせることで作ることができる。

動詞の完了形は現在完了形にも使われているため、不思議に思った方もいるかもしれない。一見全く異なるように思えるこの2つで、共通した形が使われているのはなぜであろうか?

  • I have done the research. (現在完了形の例)
  • The research can be done today. (受動態の例)

実は、動詞の完了用法には「動詞の動作の最終段階」という基本イメージがある。現在完了形の場合は動詞の「プロセス」の最終段階を指し、受動態では動詞の「対象」の最終段階、すなわち動作が及ぶ対象のことを指すのだ。

受動態は動作が行われる対象が主語になっているため、完了の持つイメージがピタリなのである。

完了用法のイメージが受動態の基本になっています

英語では、形が同じであればそこには共通の意味がある。現在完了と受動態という全く異なるように見える2つの用法も、実はその背後では同じ原理原則で動いているのだ。

4. まとめ

文法は規則の暗記と思われている面が多いが、実は「意味」から捉えることで理解を深めることができる。

受動態においても機械的な並べ替えを超え、この文法の持つニュアンスを理解できただろうか。初級者であっても意味の面から文法を捉えれば、より英語の楽しさを感じていただけるだろう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

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