暗記不要!感覚で理解できる前置詞の使い方まとめ

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at, in, from, throughなどの語句は、英語では前置詞と呼ばれる。

これらは場所・時間・理由・方法などの多彩な意味を持つものが多いため、地道な暗記に頼るしかないと思われてきた。

しかし、実は前置詞は基本イメージを理解することで、その応用的な使い方を簡単に理解することができる。

当エントリーでは、主要な20の前置詞を図とイメージを使って説明しよう。

*2016年11月に図表の全面改訂をしました。

*目次

  1. 前置詞とは何か
  2. 前置詞inの使い方
  3. 前置詞onの使い方
  4. 前置詞atの使い方
  5. 前置詞toの使い方
  6. 前置詞forの使い方
  7. 前置詞fromの使い方
  8. 前置詞ofの使い方
  9. 前置詞overの使い方
  10. 前置詞throughの使い方
  11. 他の前置詞のイメージと使い方
  12. まとめ

1. 前置詞とは何か

1-1. 前置詞は語と語をつなぐ接着剤

前置詞はin, on, at, from, ofなどに代表される特定の語句を指す。前置詞は英語の文で語句と語句をつなぐ、接着剤のような役割を果たす。

しかし、単に語をくっつけるだけであれば、andのような接続詞、whichのような関係代名詞も同じ機能を持つだろう。

前置詞がこれら他の語と違う最大の特徴は、時間場所方法位置原因などを表す場合に特化して使われる点にある。

そこで、トイグルでは前置詞を次のように定義したい。

前置詞: 英語の文章に時間、場所、方法、位置、原因などの意味を付け加えるために使う語句

(トイグル)

1-2. 前置詞には1つの基本イメージがある

前置詞は状況によって様々な使われ方をする。例えば、前置詞forに関して次のように習った方は多いだろう。

  • 目的を表すfor: 〜のために
  • 方向を表すfor: 〜に向かって
  • 原因・理由を表すfor: 〜のために
  • 距離を表すfor: 〜に渡って
  • 期間を表すfor: 〜の間

このように、英語の前置詞は複数種類の用法が備わっていることがほとんどだ。しかし、前置詞は20種類以上あるため、そのすべてを暗記するのは不可能に近い。

ここで、トイグルでは基本イメージという考え方を採用したい。基本イメージとは、各前置詞の核となる根幹の意味だ。

前置詞の多様な用法は、基本イメージが比喩的に使われた結果にすぎない。基本イメージさえ知れば、前置詞を簡単に解釈することができるのだ。

それでは、英語の20の前置詞を基本イメージと共に紹介していこう。

2. 前置詞inの使い方

前置詞inの基本イメージは「空間の中にいる」である。学校英語でも「〜の中で」の意味で教わった方が多いだろう。

下の図の赤丸が、前置詞が対象とする名詞で、それが何かの中に入っている感覚だ。

前置詞inのイメージ

前置詞inはこの基本イメージを元に、様々な拡張的な使われ方をする。1つずつ見ていこう。

2-1. 場所を示す前置詞in

「空間の中にいる」イメージを直接使い、前置詞inはどこかの場所にいることを示す際に使うことができる。例えば、何かの建物の中にいるときにはピタリな前置詞だ。

  • I am in the station. (私はその駅の中にいます。)

英語の使い方: 場所を示す前置詞in

前置詞inは、屋根のついた建造物の中を示すだけではない。

例えばTokyo(東京)など、地理的な場所を表す時にも使うことができる。inを使うことで、その場所を空間と見立て「その中にいる」という感覚を働かせることになる。

  • Jiro is living in Tokyo. (二郎は東京に住んでいます。)

英語の使い方: 場所を示す前置詞inその2

2-2. 期間を表す前置詞in

拡張的な用法に「期間を表すin」がある。「空間の中にいる」のイメージが「期間という空間の中にいる」という感覚で、発展的に解釈される。

*inが使われる代表的な時間

  • 季節 (例: in autumn, in the spring)
  • 年と世紀 (例: in 2015)
  • 月 (例: in January)
  • 一日の一定時間 (例: in the morning, in the evening, in the afternoon)
  • I usually stay in Karuizawa in summer. (私は夏の間は、軽井沢に住んでいます。)

期間を表す前置詞in

前置詞inは「あと〜分後で」といった意味合いで、短い時間にも使うことができる。

例えば「10分後」であれば、10分という時間的空間の中に自分が含まれているといった感覚で前置詞inが使われる。

  • I will arrive there in 10 minutes. (10分後にそこに到着します。)

時間を表す前置詞in

3. 前置詞onの使い方

前置詞onの基本イメージは、「何かの面に接している状態」である。用例を見ながら確認していこう。

前置詞onの基本イメージ

3-1. 場所を示す前置詞on

「何かの面に接している状態」のイメージをそのまま使い、物理的なモノが何かの上にある場合は前置詞onを使うことができる。

学校英語では「〜の上に」の意味で習う、前置詞onの基本的用法である。

  • A book is on the table. (本がテーブルの上にあります。)

英語の使い方: 場所を示す前置詞on

しかし、前置詞onを「〜の上に」で翻訳してしまうのはミスリーディングと言えよう。

なぜなら「何かの面に接している状態」が基本イメージゆえ、壁にモノがかかっている状態も、前置詞onを使うことができる。

  • A calendar is on the wall. (カレンダーが壁に貼ってあります。)

英語の使い方: 前置詞onは壁にも使える

3-2. 時間を表す前置詞on

前置詞onを使って時間を表すことができる。

まず、前置詞inは「空間の中にいる」のため、年や季節など、比較的長めの時間を空間と見立てて使う前置詞だった。

対照的に前置詞onでは空間の概念が消えるので、inに比べればやや短めの時間を表す。

*前置詞onが使われる代表的な時間

  • 曜日 (例: on Monday, on Tuesday morning)
  • 記念日等 (例: on Christmas day, on my birthday)
  • 日付 (例: on July 20th, on the first of January)

例えばon Monday (月曜日)であれば、カレンダー上の月曜日という面に接しているイメージを思い浮かべるといい。

月曜日は24時間もあるが、英語ネイティブにとっては前置詞inで空間化するほど長いものではないらしい。

  • I will see you on Monday. (月曜日の会いましょう。)

英語の使い方: 時間を表す前置詞on

3-3. 車の中はin、電車の中はonの不思議

何かの乗り物に自分が乗っているとき、タクシーや乗用車では前置詞in、電車やバスに乗っている場合には前置詞onを使うという基本原則がある。

まず、タクシーと乗用車は電車・バスに比べてサイズが小さい。

そこで英語の世界ではタクシーや乗用車の空間性が意識されるため、前置詞inが使われる。下の絵の赤線で描いた輪郭のように、その小さな空間がハイライトされるのだ。

  • I am in a taxi. (タクシーに乗っています。)

英語の使い方: 車やタクシーでは前置詞inを使う

対照的に、電車・バスは比較的サイズが大きい。

英語の世界で電車・バスの空間は意識されず、今自分が立っている足元に意識が行く。そこで「何かの面に接している状態」を意味する前置詞onが使われる。

  • I am on a train. (電車に乗っています。)

英語の使い方: 電車・バスでは前置詞onを使う

「いや、電車の空間性を意識すれば前置詞inだって使えそうじゃないか?」と思う方もいるかもしれないし、それは至極真っ当な意見である。

しかし、英語の世界ではそのような考え方はしないのである。言語とはなんて理不尽なのだろうか。

4. 前置詞atの使い方

前置詞atのイメージは「点」である。

前置詞inは空間、前置詞onは面を表しているのに対し、前置詞atはそれよりさらに小さい点という感覚を持っている。

前置詞atの基本イメージ

4-1. 場所を表す前置詞at

前置詞atは前置詞inと同様に、場所を表す際に使うことができる。

前置詞atは「点」のイメージがあるため、その地理的な場所をそのまま伝える感覚がある。

例えるなら、前置詞atはGoogleマップでどこかの場所を調べた時に、画鋲のようなマークでその場所が示される感覚だろうか。

  • I am now at the Dobutsuenmae station. (私は今、動物園前駅にいます。)

英語の使い方: 場所を表す前置詞at

前置詞inは先程も紹介したように、その場所を空間的な広がりを持って捉えている。日本語訳をすると同じ意味になるが、その背景にはこうしたニュアンスの違いがある。

  • I am now in the Dobutsuenmae station. (私は今、動物園前駅にいます。)

英語の使い方: 前置詞inは空間内

4-2. 時間を表す前置詞at

前置詞atは、前置詞inやonに比べてさらに短い時間・期間を表す際に使うことができる。

*atが使われる代表的な時間

  1. 時計が示す時間 (例: at 3:50)
  2. 宗教的なお祭 (例: at Christmas)
  3. 食事の時間 (例: at breakfast)
  4. 他の特定の時間 (例: at night, at the weekend, at weekends)

例えばat 3:24では、3時24分という短い60秒間のみを指す。これは前置詞atの持つ点のイメージとまさに同じだろう。

  • It is at 3:24 am. (午前3時24分です。)

英語の使い方: 時間を表す前置詞at

日本人にはChristmas(クリスマス)やnight(夜)にも前置詞atを使う点が、不思議に感じられるかもしれない。

例えばChristmas(クリスマス)という日は12月25日の1日を指すのだから、前置詞onを使ってもいいと思える(注: Christmas dayにすればday(日)が強調されるため、前置詞onも可能)。

これはおそらく、Christmas(クリスマス)という1日がイギリス人に非常に楽しみなイベントで、まるで点のように一瞬で過ぎ去ってしまうことから、前置詞atの感覚のほうが合う、と言われている。

night(夜)に関しても、寝ている数時間は意識がないので、起きたら一瞬の時間に感じられる。従って前置詞atの点のイメージが合うのである。

4-3. 時間を表す前置詞in, on, atまとめ

ここまで、前置詞in, on, atを使った時間の表し方を見てきた。これら3つの前置詞は表で簡単にまとめることができる。

at, on, inの違い

5. 前置詞toの使い方

前置詞toは「動作がある方向に向かい、そこに到達する状態」のイメージを持つ。

これまで説明した前置詞in, on, atが位置関係を示すイメージだったのとは対照的に、前置詞toは動作を表現するダイナミックな前置詞だ。

前置詞toの基本イメージ

5-1. 目的地を示す前置詞to

前置詞toの「動作がある方向に向かい、そこに到達する状態」のイメージをそのまま使い、動詞の動作の目的となる場所や人を表すことができる。

例えば「学校に行く」という動作は、目的地(=学校)に到着することではじめて成り立つ。「動作がある方向に向かい、そこに到達する状態」を意味する前置詞toとの相性が良い。

  • I go to school every day. (私は毎日学校に行きます。)

目的地を示す前置詞to

5-2. 時間を示す前置詞to

前置詞toの使用範囲は、何も物理的な場所に限らない。

例えば時間を表す際「11時まであと◯◯分」のような形で前置詞toを使うことができる。

対象を時間にしただけで、「動作がある方向に向かい、そこに到達する状態」のイメージはそのまま使われている。

  • It’s 15 minutes to 11. (11時まであと15分です。)

時間を示す前置詞to

5-3. モノ・コト・ヒトの移動

モノ・ヒト・コトが何らかの動作を伴って移動する際、その方向性を表すために前置詞toを使うことができる。

基本イメージ「動作がある方向に向かい、そこに到達する状態」が、ここでも生きていることを確認しよう。

  • The government gave a scholarship to me. (政府が私に奨学金を出してくれた。)
  • I will read a presentation to the class tomorrow. (私は明日クラスに対してプレゼンテーションをする。)
  • I sent an email to a wrong person. (Eメールを間違った人に送ってしまった。)

6. 前置詞forの使い方

前置詞toと似て非なるものが、前置詞forである。これらの違いに苦戦している方は多いのではないだろうか?

前置詞forの基本イメージは「目的に向かっているが、まだ到達していない」だ。

前置詞toではその目標に到達している感覚があるのに対し、前置詞forではまだ到着していない。この違いが様々な用法の違いとなって表れる。

前置詞forの基本イメージ

6-1. 対象の相手を表す前置詞for

何かの動作を行う際、その対象となる相手を表す時に前置詞forを使うことができる。

  • I have a gift for you. (私はあなたへのギフトを持っています。)

この例では「あなた」のためにプレゼントを持っている状態を示している。

「持っている」ということは、まだそれを相手に渡していない。「目的に向かっているが、まだ到達していない」イメージを持つ前置詞forがピタリなのだ。

対象の相手を表す前置詞for

6-2. 目的を表す前置詞for

forは、動作の目的を表す際にも使うことができる。

何かの目的・目標というのはまだ達成していないから「目的」と言えるため、「目的に向かっているが、まだ到達していない」のイメージを持つ前置詞forとの相性が良い。

  • I bought a car for transportation. (私は交通手段のために車を購入した。)

目的を表す前置詞for

6-3. 期間を表すfor

前置詞forの応用的な使い方として、期間を表す用法がある。

これは基本イメージの「目的に向かっている」部分に注目した結果、特定の期間を示すことができるようになったのだ。

  • I have been studying English for 10 years. (私は10年間英語を勉強しています。)

期間を表すfor

7. 前置詞fromの使い方

これまで紹介したように、前置詞toとforは目的地に「向かっていく」様子を表す。

前置詞fromはその逆で「目的地から離れていく」イメージがある。

前置詞fromの基本イメージ

7-1. 目的地から離れていく前置詞from

基本イメージの通り、物理的な場所から離れていく際には前置詞fromを使う。日本語でよく翻訳される「〜から」を意味合いを持つため、理解しやすいだろう。

  • I will travel from Osaka to Tokyo. (私は大阪から東京まで旅をします。)

目的地から離れていく前置詞from

7-2. 時間的な開始地点を示す前置詞from

これまでの前置詞と同様に、前置詞fromもその基本イメージを時間に応用することができる。「3時から」といったような形で、時間的な開始地点には前置詞fromを使おう。

  • He will be here tomorrow from 3 o’clock onward. (明日、彼はここに3時からいます。)

時間的な開始地点を示す前置詞from

7-3. 起源を示す前置詞from

「目的地から離れていく」基本イメージが発展的に解釈され、fromは何かの起源や発祥を示すことができる。

例えば次の例文は、ヒロミのアイディアは弟から得たことを示している。

アイディアが弟から解き放たれ、離れていく様子を、前置詞fromの「目的地から離れていく」イメージで描写している。

  • Hiromi got the idea from her younger brother. (ヒロミはそのアイディアを、彼女の弟から得た。)

起源を示す前置詞from

8. 前置詞ofの使い方

前置詞ofには「一部分」の基本イメージがある。

例えば「A of B」は「AはBの一部分」であることを示す。リーディングで頻出する前置詞だ。

前置詞ofの基本イメージ

8-1. 一部分を示す前置詞of

前置詞ofは、基本イメージ通りにに忠実に使われることが多い。例を見てみよう。

  • I am a citizen of Japan. (私は日本国民の一人です。)
  • The cost of the house is high. (その家の価格はとても高い。)
  • We have plenty of time. (私たちにはたくさんの時間があります。)

次の例では「彼女は会社の代表」であり、言い換えれば「代表としての彼女」は「会社」のいち部分である。前置詞ofのイメージがピタリと合う。

  • She is the president of this company. (彼女はこの会社の代表です。)

一部分を示す前置詞of

9. 前置詞overの使い方

前置詞overは、「対象物の上空を越えて反対側に着地する」イメージを持っている。やや複雑に聞こえるかもしれないが、図で見てみるとわかりやすいだろう。

前置詞over

9-1. 物理的な対象物を飛び越える前置詞over

基本イメージに忠実に、物理的な対象物を飛び越える際には前置詞overを使う。

  • The plane will fly over New York. (その飛行機はニューヨークを越えて飛行します。)

物理的な対象物を飛び越える前置詞over

overの持つ飛び越えるイメージを利用し、何かのモノを覆う際にも利用することができる。

  • Someone put a plate over the hole in the road. (誰かがその道の穴を覆うプレートを置いた。)

モノを覆う前置詞over

9-2. 前置詞overの応用的な使い方

前置詞overはその飛び越える過程の一部分に焦点を当てることで、応用的な使い方ができる。

次の例では、山に雲がかかっている様子を示している。

  • There were clouds over the mountain. (その山に雲がかかっていた。)

常識的に考えれば雲がかかるのは山の山頂部分だけだ。それゆえ、overの過程の真上の部分のみに焦点が置かれている。

overの応用的な用法1

別の一部分に焦点が置かれる場合も見てみよう。

次の例では、橋を越えた先に会社があるため、overの示す飛び越える感覚の最終地点のみに焦点が置かれている用法になる。

  • I work in a company that is over the bridge. (私は、その橋を越えたところにある会社に勤めています。)

先端のover

前置詞overは物理的な対象から派生し、比喩的な意味合いで使われることもある。

  • The king rules over the people in the country. (その王様は、その国の人々を支配している。)

比喩のover

10. 前置詞throughの使い方

前置詞throughの基本イメージは「突き抜ける」である。筒のような立体的な物体を突き抜けていく感覚がある。

前置詞throughのイメージ

10-1. 物理的な空間を突き抜ける前置詞through

基本イメージの通り、物理的な空間を突き抜ける際には前置詞throughを使うことができる。

トンネルのような立体感のある空間がイメージしやすいが、門や信号といった平面的な場所を抜ける際にも使うことができる。

  • He drove through the tunnel without his light on. (彼はライトを点灯せずに、そのトンネルを車で走って通り抜けた。)

物理的な空間を突き抜ける前置詞through

ガラス越しに何かを見つめるときなど、自らの体を動かさない場合にもthroughを用いることができる。

  • He stopped and looked through the window. (彼は立ち止まり、ガラス越しに見つめていた。)

ガラス越しのthrough

10-2. 日付・時間と共に使う前置詞through

前置詞throughの突き抜けるイメージは、日付・時間あるいは数字を指す時にも使用可能だ。

例えば次の例文では、throughを使うことで月曜日から金曜日までの5日間を連続した一つのカタマリと捉え、それを一気に突き抜けていく感覚を表現している。

  • The store opens Monday through Friday. (そのお店は月曜日から金曜日まで営業しています。)

日付・時間と共に使う前置詞through

10-3. 前置詞throughの比喩的な使い方

throughの比喩的な使い方を紹介しよう。

一つ目は、完了させるために苦労を伴うような状況で使う前置詞throughだ。

その作業の始まりと終わりを脳内で意識し、突き抜けるイメージを持つ前置詞throughを用いることで、それを苦労しつつ終わらせるイメージを表現する。

  • I went through a bad experience. (私は悪い経験を乗り越えた。)

完了のthrough

前置詞throughはまた、理由や手段を表すこともできる。

これもイメージは一緒で、何かの出来事の始まりと終わりを通過することで成し遂げられた(あるいは成し遂げようとしている)ことを表現する際に使われる。

  • I got a new job through the Hellowork. (ハローワーク経由で新しい仕事を獲得した。)

11. 他の前置詞のイメージと使い方

ここからは、使用頻度はやや落ちるものの、英語で重要な役割を担う前置詞を一気に紹介しよう。

11-1. 前置詞into

前置詞intoは対象物が徐々にその空間に近づいていき、最終的にその空間の中に入るイメージを持つ。動きと動作の結果が同時に表現され、動的な感覚を伝えることができる。

次の図のように、inの「空間の中」とtoの「動作がある方向に向かい、そこに到達する」が見事に組み合わさっている。

前置詞intoのイメージ

  • My son fell into the water. (息子が水に落ちた。)
  • He and I decided to go into business together. (彼と私はビジネスを共にすることを決めた。)

11-2. 前置詞onto

前置詞ontoは対象物が徐々にその空間に近づいていき、最終的にその面に到達するイメージを持つ。intoと同様、動きと動作の結果が同時に表現され、動的な感覚を伝えることができる。

次の図のように、onの「何かの面に接している状態」とtoの「動作がある方向に向かい、そこに到達する」が組み合わさっている。

前置詞ontoのイメージ

  • The dog jumped onto my knee. (その犬が私の膝に乗ってきた。)

11-3. 前置詞above

前置詞aboveは、対象物から見て主語が物理的にその上に位置している状態を表す。

前置詞aboveのイメージ

次の例文では、鳥は頭上よりも高い位置にいることを示している。

  • Birds are flying above our heads. (鳥は私たちの頭上を飛んでいる。)

aboveの用法

比喩的に、法律やルールよりも自分が偉いと過信してしまっているような状況を表す際にも使える。

  • The manager believed that he was above the law. (そのマネージャーは、自分が法律よりも高い位置にいると信じていた=法律を無視していた。)

aboveの用法2

11-4. 前置詞below

前置詞belowはaboveの逆で、対象物から見て主語が物理的に低い位置にいる関係性を示す。

前置詞belowのイメージ

11-5. 前置詞across

前置詞acrossは、平面的な区間を横切るイメージがある。道案内等でよく使う英単語だ。

  • He walked across the street and rang the bell. (彼はその道を横切り、ベルを鳴らした。)

前置詞acrossのイメージ

11-6. 前置詞by

前置詞byは、対象物が何かの真横に位置しているイメージを持っている。

前置詞byのイメージ

  • He stood by the window looking out over the fields. (彼は窓の横に立ち、野原を見渡していた。)

11-7. 前置詞in front of

前置詞in front ofを使うと、主語となる単語が対象物の目の前にあり、その状態を眺めている様子を表す。

in front ofのイメージ

次の例文では、車(主語)がビル(対象物)の前にある様子を描写している。

  • A car is parked in front of the building. (車がビルの前に駐車されている。)

英語の使い方: in front ofの例

11-8. 前置詞behind

前置詞behindはin front ofの逆で、主語が対象物の裏にある状態を示す。

前置詞behindのイメージ

  • It seems that mice are behind the wall. (ネズミが壁の裏にいるように思える。)

11-9. 前置詞inside

前置詞insideは、何かのモノが別のモノの内側に入っている感覚を持つ。

前置詞insideのイメージ

  • The book is inside the box. (その本はその箱の中にある。)

前置詞insideはinと非常に近い概念だ。

どちらも何かが別のものの内側にあるイメージという点では同である。

しかし、inではその入っているモノに焦点が当てられるのに対し、insideはその容器がハイライトされる形となる。使用頻度はinのほうが圧倒的に多い。

inとinsideの違い

11-10. 前置詞outside

前置詞outsideはinsideの逆で、対象物がその容器の外にあるイメージを持つ。

前置詞outsideのイメージ

  • We heard strange noises outside the house. (私たちは、家の外で変な音がするのを聞いた。)

12. まとめ

英語の前置詞には、それぞれ共通して使える1つの基本イメージがある。使用頻度が特に高い前置詞は、それら基本イメージが応用的に解釈されることによって、多彩な意味を持って使われる。

前置詞に限らず、英語はその根本にあるイメージを理解すれば、暗記に頼らずにその語や文法を使えるようになる。会話やライティングなど英語のアウトプットをする際は、こういった英語の根本原理を理解することが絶対的に重要だ。

トイグルを読んで暗記中心の英語に別れを告げ、使える英語を身につけていこう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

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コメント

  1. ゆた より:

    とてもためになりました、前置詞の使い分けが全然わからなかったけど絵にしてみるととても分かりやすいです❗

  2. ITO より:

    in の前置詞の説明で、
    ◦I will arrive there in 10 minutes. (10分以内にそこに到着します。)
    とあります。これで理解はできますが、「10分後に(10分経ったら)」の意味も持っているんでしょうか、アドバイスいただけたら幸いです。

  3. 田邉竜彦 より:

    >ゆた様
    お褒めの言葉、ありがとうございます。これからも学習者視点の記事を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

  4. 田邉竜彦 より:

    >ITO様
    コメントありがとうございます。
    「10分後に到着する」ということであれば、前置詞inはイメージ通りに使うことができます。
    どちらにしてもこれらは日本語の問題であり、英語のinには「(今から)10分後」という空間の中に自分がいる、という感覚を持っています。
    ご参考になれば幸いです。

  5. ryoum より:

    in 10 minutes とした場合に10分以内と言う意味は持っていないと明確に英会話学校で指摘されました。
    言った当人は10分以内には絶対来ないと思います。

  6. 田邉竜彦 より:

    >ryoumさま
    コメントありがとうございます。
    仰るとおり、日本語で「10分以内」と言えば、例えば3分後、5分後も含まれてしまいますね。
    記事内でも修正をさせていただきました。

  7. みやした より:

    高校生のころから前置詞(特にin on at の使い分け)が苦手で、大変不便でしたが、この記事に出会えたことで理解できました!
    ありがとうございます!

  8. 田邉竜彦 より:

    >みやしたさま

    コメントありがとうございます。
    学習のお役に立てたようでなによりです。今後ともトイグルをよろしくお願いします。

  9. ななお より:

    場所を表す前置詞で迷います。次の言い方はOKですか?

    1)I am atShinjuku in Tokyo in Kanto area in Honshu in Japan.

    2) I am in Shinjuku in Tokyo of Kanto area in Honshu in Japan.

    質問の要点は
    – in より狭い部分を表す前置詞は atを使うべきか?
    - ワンセンテンスで inが多用されてても自然な英語なのか?

  10. 田邉竜彦 より:

    >ななお様
    まず、2)の「in Tokyo of Kanto area」は表現として違和感を感じます。Shinjyukuの前はinでもatでも使用可能です。inではより場所の空間性を、atでは点としての場所をイメージさせます。

    一般論として、1つのセンテンスに複数の同じ前置詞が使うことは可能です。ただ、あまり重複しないほうがいいですね。
    1)の例ですが、「私は日本の本州の関東地方の東京の新宿にいます」という文章は、文法よりも意味として不自然さを感じます。自然な英文を作れば、前置詞が過度に重複することはあまりありません。

  11. ななお より:

    ご説明有難うございます。無理して不自然な例題を作る必要はないのですね。(笑)

    気になったのですが、どうも前出の機論ですと、
    I will arrive there in 10 minutes. (10分以内にそこに到着します。)というのは3分とか5分とかは入らないようですが、私は30秒だろうと9分59秒だろうとin 10 minuites のなかに入っているのだと思っていたんですが、違うようなので、正解を教えてください。

  12. 田邉竜彦 より:

    >ななおさま

    ご質問ありがとうございます。
    「30秒だろうと9分59秒だろうとin 10 minutes のなかに入っている」は間違った解釈ではありません。

    inは「〜後」の意味で使われますが、時間内にその出来事が起こる可能性が示唆される場合もあります。
    例: Dinner will be ready in five minutes. (夕食は5分で用意されます: 5分以内に用意される意味を含む)
    (ジーニアス英和辞典より)

    なぜこのような解釈の幅が生まれるか、ということを少し補足させていただきます。
    まず、英語でも日本語でも、ある語句が必ず1通りの使われ方をするわけではありません。
    ある語句の解釈は文脈によって変わるため、その根幹となるのが基本イメージです。

    議題に上がっているinは、時間を表す場合「時間という空間」をイメージさせます。
    そのため、その空間の端を意識すれば「〜の後」で、空間の中を意識すれば「〜以内」のようなニュアンスになります。
    ただし、翻訳が「後」か「以内」かは日本語の問題であり、英語の使い方とは関係ありません。

    inのような多義的な語句の場合、使用場面でニュアンスが変わる事例が無数にあります。
    英語ネイティブですら、それをすべて知っているわけではありません。
    その意味で「◯◯という使い方は正しいか否か」を議論するより、基本イメージを知って英語を感覚で理解するほうが、より実践的な英語力が身につくと私は考えています。

    以上、ご参考になれば幸いです。

  13. とと より:

    toも加えて説明してくれると非常に助かります。
    for と混ざるというひとが多くて説明しづらいです

  14. ななお より:

    in と on の違いがちょっとわからないのが、Sign in と
    Sign on の違いです。 どう理解したらいいでしょうか?

  15. 田邉竜彦 より:

    >>ととさま

    コメントありがとうございます。
    forとtoの違いに関してもさらにわかるよう、今後記事を改良する予定です。

    もしよろしければ、トイグルのFacebookページをご覧ください。
    こちらで更新情報を随時発信しております。

    https://www.facebook.com/toeicguruclub/

  16. 田邉竜彦 より:

    >ななおさま

    これは難しいですね。

    辞書的には
    sign in: ホテルやオフィス等に入る際、名前をフォームに記入する
    sign on: 誰かのために働いたり助けたりすることを承諾するため、書類にサインする
    といった違いがあります。

    sign onに関してですが、昔は給料を得るために厚紙のフォームの上(on)にサインをしなくてはならなかったため、sign onがそのまま「仕事の契約のためにサインする」の意味で使われているようです。
    sign inの語源はちょっと調べてみますね。

  17. じん より:

    とても助かりました^^*

    テスト勉強に役立たせてもらいました!

  18. ななお より:

    With は取り上げられていませんね? Toの用法と似てたり、違ってたりと結構つまづきやすいです。又手法、手段を表すとき、Withにするかbyにするまかも迷います。レクチャーをお願いします。

  19. 田邉竜彦 より:

    >じん様

    コメントありがとうございます。
    他にも英文法の記事を書いているため、ぜひともご参考にいただければと思います。

  20. 田邉竜彦 より:

    >ななお様

    承知しました。
    withも含め、8月か9月くらいに前置詞の記事をリニューアルしようと考えています。少々お待ちくださいませ。

  21. ゆきみ より:

    この記事、ホントにためになりました
    ありがとうございます^_^
    「私は勉強会で興味深い事を学んだ」と英訳するときにatを使うのですか?
    教えて下さい❗️

  22. 田邉竜彦 より:

    >ゆきみ様

    お褒めのコメント、ありがとうございます!
    そうですね、「勉強会」であればatが妥当かと思われます。

    ちなみに、言葉とは話し手が単語や文法を使って自分の表したいことを表現するわけなので、「◯◯の時にはatを使わなくてはならない」といったルールに支配されているわけではありません。
    ゆきみさんが勉強法の会場を空間として捉えれば、inを使うこともできるかも知れません。

  23. なおまさ より:

    受験勉強でわからなかったのでとても助かりました

  24. 田邉竜彦 より:

    >なおまさ様

    コメントありがとうございます。
    お役に立てたようで光栄です。

    今後ともトイグルをよろしくお願いします。

  25. なつめ より:

    とても分かりやすく、改めて理解することが出来ました。
    しかし、byに関しては説明不足に感じられます><
    「対象物が何かの真横に位置している」というイメージだけですと、
    ''手段''や"期限"を表す用法に説明が付かないと思いますので、改善お願いいたします。
    それと同時に、混同しやすい"with"や"until/till"についてもレクチャーよろしくお願いいたします。

  26. 田邉竜彦 より:

    >なつめ様

    ご指摘ありがとうございます。
    本記事に関しては、今年の秋頃に全面改訂を行う予定のため、しばしお待ちいただければと思います。

    取り急ぎ、byに関して簡単に説明させていただきます。

    ・byの基本イメージ: 隣接している、何かの真横(隣)に位置している
    ・手段を表すby: byの隣接のイメージが比喩的に使われる用法。主語が手段を選んで使うのであれば、それは主語の心のなかで身近なものと捉えられる。そこで隣接を意味するbyが拡張的に使われる。
    ・期限を表すby: byの隣接のイメージが比喩的に使われる用法。実際の期限は先でも、主語の心理の中でそれは間近なものと捉えるため、隣接を意味するbyが拡張的に使われる。

  27. タカハシ ショウイチ より:

    済みません、toとforのところでちょっと教えて頂きたいのですが、toは「動作がある方向に向かい、そこに到達する状態」のイメージ
    forは「目的に向かっているが、まだ到達していない」イメージとあり、なるほどそういうことかと感心したのですが、toの例文で
    ◦I will read a presentation to the class tomorrow.
    (私は明日クラスに対してプレゼンテーションをする。)
    を見て、プレゼンテーションは明日でまだ到達していない、、、?のにここはforではなくて?to、、、と混乱しています。
    初心者ですが宜しくお願い致します。

  28. 田邉竜彦 より:

    >タカハシショウイチ様

    ご質問ありがとうございます。
    toとforの違いについてですね。

    まず、前置詞は「実際に行われているか」ではなく、あくまで話し手の捉え方によって変わります。心の中で状況をどのように把握しているか、が前置詞の選択を決定します。

    I will read a presentation to the class tomorrow.の例では、実際のプレゼンテーションはまだ行われていません。
    しかし、プレゼンテーションがいつ実行されるにしても、「プレゼンテーションがクラスに対して行われる」という状況を英語で表す時、forとtoのどちらが適切か考えてみます。すると、聴衆なしではプレゼンテーションは成り立たないため、「到達する」のイメージがあるtoが適切という結論となります。

    尚、presentationを前置詞onで表すこともできます。

    ・He gave a presentation on ancient Japanese art. (彼は古代日本の芸術に関してプレゼンテーションを行った)

    ここでは、プレゼンテーションの相手は意識されていません。代わりに、プレゼンテーションの内容をonで表しています。

    このように、英語はルールで用法が定められているのではありません。話し手が伝えたい内容を適確に表すことができる語句・文法を選び、それを使用する、といった行為となります。

    ご参考になれば幸いです。

  29. タカハシ ショウイチ より:

    詳しく教えて頂き有り難うございました。「話し手の捉え方によって変わる」との事、参考になりました。核心部分を理解していれば、それ程難しいものでは無い事を知りました。とはいえ晩学の身、息切れをしながら山を登っている状態で周りの景色を観る余裕はありません、楽になるように少しでも早く覚えたいと思っています。又分からない事があったら教えて下さい、宜しくお願い致します。

  30. 田邉竜彦 より:

    >タカハシショウイチ様

    コメントありがとうございます。
    またお気軽にご相談ください。

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