公式見解は本当?TOEICレベルと英語で実際にできること

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TOEIC受験者であれば、TOEICスコアと実際の英語レベルの目安について、気になった方も多いだろう。

しかし、世間では「TOEICはビジネス英語に必須だ」と言われる一方で、「所詮、TOEICは資格試験に過ぎず、実際の英語力は身につかない」と主張する人もいる。果たしてどちらが正しいのだろうか?

そこでトイグルでは、TOEICと英語レベルに関する様々なデータを使ってリサーチを行った。TOEIC受験後に海外留学をした筆者の実体験も含め、TOEICスコアと英語レベルの関係を明らかにしていきたい。

1. TOEIC公式協会によるスコアと英語レベル

はじめに、TOEIC公式協会が発表している、TOEICスコアと英語レベルの目安を紹介しよう。他の参考書やブログでTOEICレベルについて語られる際は、このデータが使われることが多い。

1-1. 公式協会によるTOEICスコアと英語レベル

レベル スコア 評価
A 860〜 自己の経験の範囲内では、専門外の分野の話題に対しても十分な理解とふさわしい表現ができる。ネイティブスピーカーの域には一歩隔たりがあるとはいえ、語彙・文法・構文のいずれをも正確に把握し、流暢に駆使する力を持っている。
B 730〜 通常会話は完全に理解でき、応答もはやい。話題が特定分野にわたっても、対応できる力を持っている。業務上も大きな支障はない。正確さと流暢さに個人差があり、文法・構文上の誤りが見受けられる場合もあるが、意思疎通を妨げるほどではない。
C 470〜 通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通になると、巧拙の差が見られる。基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、ともかく自己の意志を伝える語彙を備えている。
D 220〜 ゆっくり話してもらうか、繰り返しや言い換えをしてもらえば、簡単な会話は理解できる。身近な話題であれば応答も可能である。語彙・文法・構文ともに不十分なところは多いが、相手が非ネイティブスピーカーに特別な配慮をしてくれる場合には、意思疎通をはかることができる。
E それ以下 単純な会話をゆっくり話してもらっても、部分的にしか理解できない。短編的に単語を並べる程度で、実質的な意思疎通の役には立たない。

(出典: TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表)

1-2. 公式協会の見解はリアリティに欠ける?

先の表を要約すると、次のようになる。

  • レベルA(860点): ほぼネイティブレベル。
  • レベルB(730点): 英語で仕事を行えるレベル。
  • レベルC(470点): 英語で通常会話を行えるレベル。
  • レベルD(220点): ゆっくりであれば英会話を行えるレベル。
  • レベルE(それ以下): 部分的にしか理解できないレベル。

さて、レベルCの470点レベルで「英語で通常会話ができる」が正しければ、日本人のTOEIC受験者は皆英語で通常会話ができることになる(日本人のTOEIC平均点は512点)。

しかし、470点はおろか730点レベルであっても、字幕なしの映画を理解することは難しい。会話の練習をしていなければ、自己紹介すら怪しいのではないだろうか。

筆者も、「英語で仕事を行えるレベル」と言われる730点以上のスコアを持ってアメリカに留学したが、はじめはスターバックスでの注文すらできなかった。ホストファミリーに非常にゆっくり喋ってもらってもコミュニケーションができず、愕然として記憶がある。

つまるところ、公式協会が発表するスコアとレベルの相関表は、リアリティに欠けると言わざるを得ない。

※ 統計データを分析するときは、相関関係と因果関係の違いに気をつけよう。相関関係があったとしても、そこには必ずしも因果関係があるとは限らないのだ。

2. 真のTOEICスコアと英語レベルの関係

先の表の信ぴょう性に疑惑があるとすれば、真のTOEICスコアと英語レベルの関係はどうなるだろうか。

ここで、同じくTOEIC協会が発表している、受験者の申告によるTOEICスコアと英語レベルの関係を見てみよう。リスニング、リスニング、及び英語コミュニケーションの3つの指標を見ていただきたい。

2-1. TOEICスコアと実際のリスニングレベル

スコア How are you?等のシンプルな質問を理解できる 空港のアナウンス等の放送を理解できる 複数人が参加する職場での会議を理解できる
200〜255 61% 22% 3%
260〜315 74% 28% 8%
320〜375 82% 41% 13%
380〜435 90% 54% 25%
440〜495 95% 72% 51%

(出典: TOEIC Can-Do Guide Executive Summary)

“How are you”程度のレベルであれば、リスニングスコアが200点(495点満点)であっても、過半数の人が理解できる。

しかし、TOEIC頻出の空港のアナウンスは、380点の人も半分程度しか理解できない。職場での会議にいたっては、リスニングで満点近いスコアを持っていても、半分の人は何が話されているかわからず地蔵状態になっている。

2-2. TOEICスコアと実際のリーディングレベル

スコア レストランのメニューを読んで理解できる 会議の議題を読んで理解することができる 辞書無しで”Times”誌等の雑誌を理解できる
200〜255 79% 22% 5%
260〜315 83% 34% 11%
320〜375 86% 46% 19%
380〜435 87% 62% 30%
440〜495 95% 84% 47%

(出典: TOEIC Can-Do Guide Executive Summary)

レストランのメニューであれば、リーディングスコアが200点程度であっても、約8割の人が理解できる。

しかしここでも、満点近いスコアを持っていても、経済誌を辞書無しで読める人は半数を切っている。雑誌を読めない英語レベルで、業務上のコミュニケーションを取ることは極めて困難ではないだろうか。

2-3. TOEICスコアと実際のコミュニケーションレベル

合計スコア できること
900〜990 ・自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。
・英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。
800〜895 ・英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる。
・職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる。
700〜795 ・会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる。
・自分の仕事に関連した日常業務のやりかたについての説明を理解できる。
600〜695 ・自分宛てに書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる。
・ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる。
500〜595 ・電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる。
・打ち解けた状況で、 “How are you?””Where do you live?” “How do you feel?” といった簡単な質問を理解できる。
400〜495 ・看板を見てどんな店か、どういったサービスを提供する店かを理解することができる。

(出典: TOEICスコアとできることの目安)

こちらは、TOEICスコアと総合的コミュニケーションレベルを調査したデータだ。やはり、冒頭で紹介した公式協会の見解とは大きな差が見られる。

例えば、TOEIC公式協会は800点レベルで「通常会話は完全に理解でき、応答もはやい。話題が特定分野にわたっても、対応できる力を持っている。業務上も大きな支障はない。」と言っている。しかし実際の800点ホルダーは、インターネットのWebサイトを見て情報を探すのが精一杯の実力だ。

3. まとめ

当エントリーでは、TOEICスコアと実際の英語レベルの関係を、公式協会の見解及び、受験者アンケートを元に考察してきた。

これまで見てきたように、TOEICで高いスコアが取れたとしても、TOEIC公式協会が発表しているほどの英語レベルが身につくわけではない。

だが、TOEICが決して無価値な試験であるわけではない。TOEICは次の点において、日本人の英語学習者に有益ではないだろうか。

  1. 英語学習のモチベーションとなる
  2. 学習の進捗を数値化できる
  3. 英語レベルの証明として日本で幅広く使うことができる
  4. 他の英語試験(TOEFL, IELTS等)よりも、日常生活に近い状況を前提としている

実際、筆者の知り合いのアメリカ人英語教師は、TOEICは極めて実践的で良い試験だと言っていたことがある。今はTOEIC以外の代替案がない以上、これからも英語学習のいちツールとしてTOEICを活用していこう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

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