TOEICを履歴書に書くなら新卒650点・中途750点以上は最低必要な理由

TOEIC スコア 履歴書

多くのキャリア系サイトや英語勉強法サイトが、採用活動時のTOEICスコアと履歴書の関係について解説している。

しかし、TOEICは採用試験の一要素であるにもかかわらず、応募側・採用側の両面を踏まえて論じているものが少ない。そのほとんどが根拠なく「TOEIC◯◯点以上なら履歴書に書けますよ」とぼんやり述べているだけである。

そこでトイグルでは、かつてIT企業の人事採用担当だった筆者の体験をふまえ、履歴書に書くべきTOEICスコアについて徹底分析していこう。新卒・中途の両方に役立つよう構成している。

1. TOEICはあなたの人材価値の一部

採用面接とは、あなたが企業に入社した後、どれだけの貢献ができるかを見極める場である。具体的には、新卒・中途では次のような側面が判定されることになる。

  • 新卒: ポテンシャル (=人材としての伸びしろ)
  • 中途: スキルと経験 (=即戦力)

TOEICスコアを履歴書に書くことは、これら要件を満たした上で、英語力をあなたの人材価値の一部に含めることを意味する。

したがって、巷で言われるがままに「履歴書に書ける最低TOEICスコア」を記入してしまえば、次のような印象を人事担当者に与えるだろう。

  • TOEICでハイスコアが取れない低い学力
  • しょぼいTOEICスコアを履歴書に書かざるを得ない低スキル
  • 低いTOEICスコアを書くデメリットを理解できない地頭

TOEICスコアを履歴書に書く以上、英語力はあなたの武器になるのだ。「TOEICを受けていること自体に意味がある」や「TOEICスコアを持っていれば就活が有利になる」などは、採用の表面的な部分しか捉えていないと言わざるを得ない。

2. TOEICスコアと市場価値

TOEICスコアを持っていることは、あなたの市場価値をどのくらい高めてくれるのだろうか? これをかんたんな図を使って考えてみよう。

縦軸は、新卒であればあなたのポテンシャル、中途であればスキル・経験値を表す。横軸はあなたのTOEICスコアを示している。縦軸は上ほど高く、横軸は右ほど高い。

TOEICスコアと市場価値

2×2の表のため、4つのマスが出来上がった。1つずつ解説しよう。

  • ハイスペック(右上): ポテンシャルあるいはスキルが豊富で、かつ高いTOEICスコアを持っている「ハイスペック人材」となる。昨今では「グローバル人材」とも言われるポジションであり、市場で最も高く評価される。
  • 優良人材(左上): ポテンシャルあるいはスキルは豊富だが、英語力に課題がある人材となる。TOEICスコアはパッとしないものの、高い職務遂行スキルがあるため、市場での価値は高い。
  • 資格バカ(右下): 高いTOEICスコアは持っているものの、ポテンシャルやスキルに欠ける人材だ。優先順位を職務遂行スキルよりも資格試験に置いてしまったため、企業が求める人物像とのミスマッチが発生している。
  • 要努力(左下): 現状ではポテンシャル・スキルに乏しく、TOEICスコアも低い。

いま「優良人材」の人は、TOEICスコアを上げるだけで「ハイスペック」になることができる。あるいは、今の時点で「資格バカ」だったとしても、意識を変えてポテンシャルやスキルを磨けば、こちらも「ハイスペック」に変われる可能性は十分に存在する。

それでは、ハイスペックになるにはどのくらいのTOEICスコアを取る必要があるのだろうか? また、今現在十分なスコアを持っていない場合、採用面接時にそれをアピールしてもいいのだろうか? これから説明していこう。

※言うまでもなく、市場価値はスキルとTOEICスコアのみで決まるものではない。しかし、本稿ではTOEICと採用時の履歴書の関係にフォーカスしているため、他の要素を省いた簡略化したモデルで説明している。

3. 履歴書に書けるTOEICスコアとは

ここからは、データを使って定量的に戦略を練っていきたい。まずは、企業が応募者に求めるTOEICスコアの実情を確認しよう。

次の表は、国内上場企業228社が採用時に期待する、応募者のTOEICスコアを示している。

  2011年 2013年
新卒 550点 565点
中途 600点 710点

(上場企業における英語活用実態調査報告書-2013年より、筆者作成)

2013年度では、新卒採用が565点、中途採用で710点、平均すると625点のスコアを持っていることが望ましいとされている。

しかし、この情報だけで結論を出すのは早急だ。現時点では最も重要な、ライバル(他の応募者)たちとの比較検討が抜け落ちている。

次のグラフを見ていただこう。これは、日本国内のTOEIC受験者のスコアの分布を示したものとなる。

TOEIC分布

(TOEIC公式協会より、筆者作成)

先に紹介した新卒で必要とされる565点は、TOEIC受験者の中央値である「545〜595点」のレンジに収まっている。このままでは平均的人材にすぎないため、もう何段階か高いレンジに移りたい。

中途に関しても同様だ。企業が求める710点は上位30%に属するものの、競争が激しい中途採用でハイスペック人材とみなされるには不十分だ。もう一段階高い上位20%の枠に収まりたい。

したがって、トイグルでは履歴書に記入できる最低TOEICスコアを、次のように定義しよう。

*履歴書に書ける最低TOEICスコア

  • 新卒: 650点 (上位35%)
  • 中途: 750点 (上位20%)

これらのスコアは、他のサイトで紹介されているものよりもはるかに高い。しかし冒頭で確認したように、TOEICスコアを履歴書に書くことは英語力を自己PRのいち部分に含めることを意味する。

ゆえに、トイグルでは「ただ履歴書に記入できる」だけの消極的な観点ではなく、「履歴書に記入することで武器になる」ような積極的な観点から、履歴書に書くべき最低TOEICスコアを定義している。

4. TOEICスコア別に見る履歴書戦略

これまでの議論をふまえ、TOEICスコア別に見る採用試験時の戦略について述べていこう。前提として、TOEICや英語に前向きな企業の採用試験を受けるものと考える。

4-1. TOEIC550点未満

  • 新卒採用であればこのスコアを履歴書に書いてもいいかもしれないが、おまけ程度にしかならない。間違ってもこのTOEICスコアを自己アピールに使わないこと。
  • 中途採用であれば履歴書に書かないほうがいい。このスコアでは、全TOEIC受験者の平均にも達していない。

4-2. TOEIC550〜640点

  • 新卒採用であればこのスコアを履歴書に書いても損はない。しかし、今のレベルでは英語で実務はできないし、「努力する人材」であることをアピールするには弱い成果しか出せていない。TOEIC以外に自己PRできるポイントを用意したほうがいいだろう。
  • 中途採用であれば、できればこのスコアを履歴書に書くのは差し控えたい。「中途半端なTOEICスコアしかPRできない、スキルのない人材」と思われる危険性がある。

4-3. TOEIC650〜740点

  • 新卒がTOEICを自己PRに活かし始められるレベル。入社後も英語学習に投資していく意欲を見せよう。ただし、このスコアではまだ英語で実務をするには程遠いことを自覚すべし。
  • 中途採用であれば、このスコアを履歴書に書いても損はない。ただし、自己PRのメインはあくまで自身の職務スキルと経験となる。

4-4. TOEIC750〜840点

  • 「英語が得意な新卒がほしいな」と思っている人事のハートを射抜けるレベル。短期留学の経験があれば、なお良し。自身のキャリアビジョンと英語の関係を、明確に語れるといいだろう。
  • 中途がTOEICスコアを履歴書に書いて、自己PRに活かし始められるレベル。第二新卒くらいの若い方であれば、職務スキルや経験が足りなくても、英語力+ポテンシャルで採用される可能性もあり。それ以降の年代であっても、自身のキャリアに英語がどう活かせるかを明確にできれば、TOEICは大きくプラスになるだろう。

4-5. TOEIC850〜940点

  • 新卒であれば、日本企業だけでなく外資系企業でも英語力をアピールできる。ただし、外資系企業はもともと英語ができる人が受ける傾向にあるため、TOEIC以外のPRポイントを用意しておくことを忘れずに。
  • 中途であれば、高いスコアを使って採用試験を有利に受けることができる。「英語ができる人がほしいな」と思っていた中小企業や、「海外部門を強化したい」と考えている大手企業のどちらにもアピールできる。ただし、実務で英語を使うには、ライティング・スピーキングの勉強を数百時間は積む必要がある。

4-6. TOEIC950点以上

  • 英語力が採用の要件となっている企業の新卒採用であれば、良い条件で対応してもらえる。きちんとしたポテンシャルがあれば、文句無しでハイスペック人材と認定されるだろう。
  • 高い英語力が武器になる。これまでのキャリアが次第では、十分なハイスペック人材だ。

5. まとめ

当エントリーでは、履歴書に書くべきTOEICスコアについて、採用側・応募者側の2つの側面から見てきた。

履歴書にTOEICスコアを記入するのであれば、英語力はあなたの市場価値の一部となる。そこで、履歴書に書いてもよい最低TOEICスコアを、トイグルでは次のように結論づけた。

  • 新卒: 650点以上
  • 中途: 750点以上

もちろん、このスコアを持っていれば確実に就活が有利になるわけではない。しかし、最低でもこのくらいのスコアを持っていることがあなたの人材価値を高め、最終的にはハイスペック人材とみなされるレベルへと押し上げてくれるだろう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

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