英単語の覚え方|私が10,000語を暗記した4つの方法

英単語 勉強法

英単語を覚えることができず、苦労している日本人は多い。

英単語力が不足すると、TOEICで出題されるような単語穴埋め問題が解けない。また、リーディングやリスニングの内容が頭に残らず、意味を理解することができなくなってしまう。

そこでトイグルでは、科学的根拠のある外国語習得理論と筆者の留学経験を元に、トイグル式英単語学習法を開発した。

これは、従来の暗記中心の方法を根本的に見直し、英単語を「習得」することを目指す学習法となる。早速、紹介していこう。

※トイグル式英単語学習法は、ビクトリア大学のポールネイション教授が提唱する”The Four Strands”をベースに、トイグルが日本人向けにアレンジした勉強法である。

1. 日本人が英単語を覚えられない理由

はじめに、日本人がいつまでも英単語を覚えられない理由を指摘したい。

今も昔も日本では、英単語の勉強は「暗記」を中心に行われている。

英単語は我慢して取り組まなくてはならない苦行であり、単語帳がボロボロになるまで使い込むことが、正しい勉強法だと信じられてきた。

読者の皆さんも、参考書やネットで、次のような単語の覚え方を見聞きしたことがあるだろう。

  • 声に出して読みながら覚える
  • リスニング音声を聞きながら覚える
  • 映像で覚える
  • 情景を頭に思い浮かべて覚える
  • 単語カードを作る
  • 寝る前に勉強する
  • 翌日・翌々日・1週間後に再復習する
  • エビングハウスの忘却曲線を活用する

しかし、これらは所詮「暗記」の効率的な方法を追求しているに過ぎず、単語を「習得」するための学習法とは程遠い。

暗記に頼った覚え方は、まるで穴の空いたバケツに水を入れているようなものである。日本人は単語暗記法のテクニックを研究するよりも、学習法の抜本的な改善が必要なのだ。

穴の空いたバケツ

2. 英単語学習の3要素

次に、英単語学習の範囲を簡単に解説していこう。

多くの日本人は、「英単語の暗記 = 意味の暗記」だと考えている。しかし、これは単語学習の一部分にすぎない。

英単語の学習とは、大きく分けて次の3つ要素と、それに付随する9の項目から成り立っている。

1.英単語の形 発音
スペル
パーツ (接頭辞・接尾辞)
2.英単語の意味 意味
派生語 (例: workとworker)
同義語・類義語・反義語
3.英単語の使い方 文法
コロケーション(他の語との相性)
文脈

単語帳を購入し、ブツブツと単語を暗唱しながら書いて覚える従来の方法では、単語学習の一部分しかカバーできないことは明らかだ。

トイグル式では、英単語の形・意味・使い方の3つをバランス良く学習する。

一見遠回りに思えるかもしれないが、結果的に単語を脳に定着させ、忘れにくい構造を作ることができるのだ。

単語は暗記ではなく習得する。これがトイグル式が目指すゴールとなる。

※ 人間の脳内では、会話や執筆時にスムーズに出てくるActiveな英単語と、読んだり聞いたりすればわかるけど、アウトプットはできないPassiveな語の二種類が存在する。Passiveな語しか増やさない従来の暗記法と異なり、トイグル式ではActiveな単語を増やすことができる。

3. トイグル式英単語学習法

それでは、トイグル式英単語学習法を紹介していこう。

トイグル式では、英単語を次の4つのプロセスを使って習得していく。

  1. 単語のインプット
  2. 英語のインプット
  3. 英語のアウトプット
  4. 既存単語力の強化

これらのプロセスは順番に行うのではなく、別の教材を使いながら同時並行で進めていくと良い。それぞれの要素を強化することで、総合的な単語力が身につくのだ。

トイグル式英単語の覚え方

1つずつ解説していこう。

3-1. 単語のインプット

トイグル式1つ目のプロセスは、「単語のインプット」だ。これは日本人がこれまで行ってきた、暗記中心の単語学習のことを指す。

ここでは市販の単語帳等を使い、できるだけ大量の単語に触れる機会を作ろう。狙いは新しい単語を「知る」こと。おそらく10個中1〜2つくらいの単語しか暗記できないと思うが、気にする必要はない。

繰り返しになるが、ここではまだ英単語を覚えるところまで意識を向ける必要はない。完璧主義に陥らず、単語に出会うきっかけさえ作れれば良い。

*単語のインプットの例

  • 市販の単語帳を使う
  • 単語カードを使う
  • 自作の単語帳を作る

英語初心者の方におすすめな単語帳が、カリスマ予備校講師関正生氏による「世界一わかりやすい TOEICテストの英単語」だ。

この単語帳では、収録単語1つ1つに対し、語源や覚え方などが解説されてる。非常に丁寧な説明のため、TOEIC受験者以外でも使うことができる。

3-2. 英語のインプット

トイグル式2つ目のプロセスは、「英語のインプット」だ。英語の文脈を頼りに、英単語の使われ方を覚えることを指す。

具体的には、英語の文章を読んだり、映画やYouTube動画を観ると良いだろう。その際、試験のように1行1行すべての意味を解釈するのではなく、なんとなく全体の大意がつかめる程度の理解で十分だ。

楽しみながら英語に触れることで、その情景が自然と頭に思い浮かぶ。すると、英単語を文脈の中から捉えることができるため、単語の意味や使い方を覚えることができるのだ。

尚、効率的なインプットのために、今の自分よりも2段階くらい低い英語レベルの文章や動画を選ぼう。目安として、95%以上の単語を既に知っているような教材を選ぶと良い(わからない単語が20語に1語程度のもの)。

英語上級者以外は、字幕をつけると効果的に学習できる。ただし、初心者であっても日本語字幕ではなく英語字幕を選ぶようにしよう。

*英語のインプットの例

  • 英語のWebサイトを見る
  • 英語のニュースアプリを見る
  • 英語のブログを読む
  • 洋書を読む (上級者向け)
  • YouTube等で英語の動画を観る
  • 洋画を観る

筆者の場合、iPad miniを使って英語のインプットを行っている。食事中にYouTubeアプリで海外ユーチューバーの動画を観たり、英語のブログを読んで情報収集をしている。iPadは英語学習に手放せないツールとなってしまった。

3-3. 英語のアウトプット

トイグル式3つ目のプロセスは、「英語のアウトプット」だ。これは、英会話やライティング(英作文)を通じ、英語を発信していく作業を指す。

既に英会話スクールに通っていたり、ライティングを行う機会がある人は、今の調子でどんどん英語のアウトプットを行おう。

しかし、これらの機会がなかったり、まだ英語初級者で会話やライティングができるレベルに至っていない場合、日本語のアウトプットでも構わない。

例えば、先に紹介した英語のインプットを行った後、日本語でその文章・動画の感想をノートに書いてみよう。感想を書くためには内容を整理できている必要があるため、それだけでも高いアウトプット効果となる。

英語に関する情報を発信しようとすれば、自ずとインプットの質も高くなる。相乗効果で単語を覚えることができるのだ。

*英語のアウトプットの例

  • 英会話スクールに通う
  • オンライン英会話を行う
  • 日本語で感想を書く(「英語のインプット」で使った教材に関して)
  • 英語でノートを取る
  • 英語で日記をつける
  • 英語でブログを書く

3-4. 既存単語力の強化

トイグル式4つ目のプロセスは、「既存単語力の強化」だ。既に覚えた英単語の用法を再確認することで、使える単語の幅を増やしていくフェーズとなる。

ここでは、今の英語レベルよりも数段階簡単な単語を選び、それをリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4要素を通じて徹底的に鍛え上げる。

例えば、英語の数字の数え方は初歩的ではあるが、スムーズに言える人は少ないのではないだろうか。自分一人でも、数字の数え方を口ずさんだり書いたりすることで、練習を重ねることができる。

このプロセスを通じ、「知っている単語」が「習得済みの単語」へと変化する。習得済みの単語は意味がわかるだけでなく、細かなニュアンスや語感を理解することができるため、英語力が飛躍的に伸びる実感ができるだろう。

*既存単語力の強化の例

  • 数字の数え方 (例: one million and five hundred thousand…)
  • 月の名前 (例: January, February…)
  • 知っている単語の別の品詞を覚える
  • 派生語を覚える
  • “come”や”go”などの基本語句をやり直す
  • ルートや二乗などの数学用語を覚える

3-5. トイグル式英単語学習法の流れ

トイグル式英単語学習法の4つプロセスは、可能な限り同時並行で進めることが望ましい。

例えば、1週間の中で単語学習に10時間を使えるとしたら、単純計算で2.5時間ずつをそれぞれのプロセスに割り当てるのだ。

*学習スケジュールの例:

  • 月曜日: お休み
  • 火曜日: 単語帳 (単語のインプット)
  • 水曜日: 数字の数え方練習 (既存単語力の強化)
  • 木曜日: お休み
  • 金曜日: お休み
  • 土曜日: 映画鑑賞 (英語のインプット)
  • 日曜日: 映画について英語で日記 (英語のアウトプット)

当然ながら、それぞれのプロセスで使う教材、扱う単語は別々となる。

しかし、これら4つのプロセスは互いに相互補完的であるため、中長期的には確かな英語力の土台を作り上げることになるのだ。

※これら4つのプロセスを何度も繰り返すと、特定の単語に何度も出会う機会がある。研究によれば、はじめは知らない単語も、最低6回触れると学習効果は倍増する。10回出会うとさらに良い効果が期待でき、20回出会えばもう理解したも同然だ。

4. トイグル式を使った学習の例

ここで、トイグル式英単語学習法を使った勉強方法の、モデルケースを見てみよう。

Aさんは、都内の製薬会社でMRとして勤務する28歳女性。会社のグローバル展開に伴い英語力が必要となったため、半年前からTOEICに力を入れている。

Aさんには大学受験の成功体験があるせいか、完全に独学で英語の勉強をし始めた。単語と文法をひたすら暗記し、模試をたくさん解けばTOEICなど難しくない、そう信じていた。

しかし、Aさんの課題は単語力だった。本業が多忙の中で英単語を覚えることは難しく、行きの電車で単語カードをめくっても、帰りの電車ではほとんどを覚えていない。

そんな折、インターネットでたまたま「トイグル式英単語学習法」を発見。これによれば、次の4つを並行的に強化することで、英単語が効率的に覚えられるという。

  1. 単語のインプット
  2. 英語のインプット
  3. 英語のアウトプット
  4. 既存単語力の強化

「1. 単語のインプット」に関しては、やり方に迷いはない。これまで通り単語帳と単語カードを使い、受験勉強の要領で単語を覚えていく。

ただし、トイグル式では、この時点で単語を暗記する必要はなく、新しい語に触れるだけでいいとしている。暗記が進まず自分を責めていたAさんは、少し気が楽になった。

「2. 英語のインプット」対策として、Aさんは海外ドラマを活用するようにした。今はAmazonプライムやhuluを使えば、月数百円で海外ドラマが見放題である。

ドラマはまだ字幕なしでは理解できないので、英語字幕をつけて観ることにした。好きなドラマが勉強になるのだから、忙しい平日もついつい観てしまう。

「3. 英語のアウトプット」として、Aさんはオンライン英会話に入会した。今流行の、フィリピン人講師とSkypeを通じて数百円で話せるサービスである。

Aさんはカウンセラーにトイグル式勉強法の件を伝え、レッスンでは事前に観ておいた海外ドラマのあらすじや、感想を説明する時間を多くとってもらった。

「4. 既存単語力の強化」は、基本的な語句の再確認の時間に当てるようにした。

TOEICでは同じ単語の品詞違いの問題が、Part5(単語穴埋め問題)でよく出題される。そこで、既に知っている語の品詞違い(形容詞や副詞など)を重点的に対策し、語彙力増強に努めた。

トイグル式を導入してから半年後、Aさんは見違えるような単語力がついていることに気がついた。単語の意味がわかるだけでなく、その語句の使い方やニュアンスなどがイメージできるのだ。

文字列の暗記のようなこれまでの勉強法とは異なり、トイグル式の「実践力」を実感することができた。TOEICでは狙っていたスコアを無事に達成し、夢のキャリアアップへ大きく前進した。

いかがだろうか?

トイグル式英単語学習法は、留学の必要性も、高額な教材を買う必要もない。身の回りの環境を活かすだけで、飛躍的に単語を覚えることができるのだ。

5. まとめ

トイグル式英単語学習法では、英単語は暗記ではなく「習得」することをゴールとしている。

暗記した単語はものの数時間で忘れてしまう。しかし、アウトプットを通じて習得した単語は脳に定着するため、TOEIC等の試験だけでなく、実践の場面で使うことができるようになるのだ。

トイグル式英単語学習法は、次の4要素から構成されている。

  1. 単語のインプット
  2. 英語のインプット
  3. 英語のアウトプット
  4. 既存単語力の強化

単語の習得は、小手先のテクニックだけでは実現することができない。そのため、学習方法そのものを大きく作り変え、インプットとアウトプットをバランス良く取れるカリキュラムとなっている。

さて、トイグル式は、一部の教材が謳うような「勉強しなくても楽に英単語が覚えられる」ものではない。

トイグル式にはある程度のコミットメントが必要だ。しかし、頑張って努力をすれば、その結果は従来の暗記法の10倍にも20倍にもなって返ってくる。

英語学習は自分への投資である。投資対効果を最大化させるために、適切なメソッドで正しい学習を行っていこう。

*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。

Good luck!

参照: Nation, I. S. (2001). Learning Vocabulary in Another Language. Ernst Klett Sprachen.

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コメント

  1. マッチ より:

    たったの1万語…?
    せめて15000語を前提に話をしてほしい。

    1万語じゃ読めるレベルが限られるでしょ。

  2. 田邉竜彦 より:

    >マッチさま

    説明不足で申し訳ありません。
    当エントリーは、単語の数え方として”word family”を採用しています。
    ここでは派生語や品詞違い「重複」とみなし、1語とカウントしません。
    (例えば、use, useful, usefulness, usefullyは4語ではなく1語と数えます。)
    文中で引用したNationによれば、英文小説の95%の語は4,000 word families, 英字新聞の95%の語は4,000 word families, そして話し言葉の95%の語は3,000 word familiesによって構成されています。
    そのため、10,000 word familiesの語彙力があれば、日本人学習者にとって十分でないかと思った次第です。

    日本では別の方法で英単語数を測ることが多いため、わかりにくい結果となってしまいました。
    文の一部を修正したいと思います。
    ご意見ありがとうございました。

  3. マッチ より:

    そういうことでしたか。
    よく分かりました。
    訂正したら私のコメントは削除していただいても構いません。
    ありがとうございました。

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